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『4連単の顔と馬』

見た瞬間「ぱっ」と私の頭で花開いたのは、リアル世界の馬と4連単の顔だった。もろに「エグい」古墳時代の見てはいけない側面を見てしまったような、なんともいえない感情が私を刺激した。
これを『もろエグい』感情として私の心にスケッチされた。
古墳時代のある時期から、古墳人も、はたと人身御供の『もろエグい』ことに気づいたのだろうか。そして、土塊を焼いてこの形にした。
それとも、敵方をあのように4連単の顔にして勝利を誇ったのだろうか。しかもわざと敵方に見えるように高く。
バランスから考えても、三角帽の貴人風の頭から馬まで貫くような串刺しでないと4連単の顔と馬は崩れてしまう。安定しないのだ。古墳時代『もろエグい』ぜ。

つらいから、古墳サーカス団として見よう。火の周りを一頭の馬が走っている。それを古墳サーカスの団員たちが次々に飛び乗るのだ。顔だけを、4連単で。───無理だ。どうする。私が古墳サーカス団の団長なら、どうするのだ。

閃いた。馬は二頭いたのだ。並ぶように走る二頭の馬だ。火の周りを二頭の馬が走っていたのだ。内側と外側だ。
古墳サーカスの団員は走る内側の馬の背に顔をのせた。見事な身のこなしだった。これも団長である私の日頃の理知的な訓練の賜だ。「それ」私の合図で団員は脚をぴんと伸ばして外側の馬の背にしっかりのせた。これを4連単繰り返せば良い。

写真の奧には外側を走る馬と、古墳サーカス団の身体があるはずだ。これでいいではないか。これで解決した。
あと、4連単の顔の口元を上から推理したい。「ゆ、と、う、ふ」と私は読み解いた。
今夜は湯豆腐を食べようかな。

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