『アイウエオ』
私はデジタル庁の回し者ではない。
けれど、マイナンバーカードを保険証として使用している。その患者側の利点について書こうと思う。
『高額療養費制度』と『限度額適用認定証』の手続きが楽。
今のところ、患者側の利点はそれだけだ。けれど、『高額療養費制度』を申請して、『限度額適用認定証』を貰う手続きが、病んだ状態の者にとってどれだけ煩わしくて精神的な負担となるのか、私はそれを昨夏に経験している。私は無知な事に、癌になってはじめてその制度を知った。そして、かなり慌てた。やがてそれがマイナンバーカードで行える事を知り、健康保険証とマイナンバーカードを紐付ける契機になった。
当時所属していた会社の担当者も私と同じようなもので、マイナンバーカードを保険証として利用すれば、自動的に二つの手続きが行える事を認識していなかった。
紐付けてしまえばあとは簡単だった。医療機関のマイナ受付にある端末で、画面の指示に従って「同意する(利用する。だったかも)」をタップすればいいのだ。そうすれば、月額の医療費の自己負担分が昨年度の年収に応じた所得区分(アイウエオ)に分けられた自己負担限度額に調整される。
これが、楽なのだ。これが貧乏人の私にとってありがたいことなのだ。この一点のみでもマイナンバーカードの利点は余り在ると私は思う。
しかし、金銭的に不自由のない暮らしをしている方の、マイナ保険証の利点はおそらくは、ない。確定申告の時期を待って医療控除の申請をすればいいからだ。貧乏人は確定申告まで待てないのだ。
私は現在二つの病院に通院している。先日、医師にマイナ保険証の利用状況を訊ねてみた。心療内科のほうは100人に1人くらいの利用頻度であるらしい。がん治療で通院している病院の方はちらほらとマイナ受付を利用している患者を見かけるようになってきた。
私の抗がん剤治療は数ヶ月続きそうだ。毎月、限度額を突破する事が明らかだ。3週間に一度、数万円の化学療法がある。検査も沢山ある。ぼうっとしてマイナ受付を忘れたら大変な事になる。
貧乏人の方。マイナ保険証、おすすめです。もう一度言おう。『高額療養費制度』と『限度額適用認定証』の手続きが、楽です。