『夏と秋。九月三日。もわり』
涼しい、はずなのに。もわり、とした台風一過の空気が私にまとわりつく。
この季節と、私の抗がん剤治療の相性がわるい。発疹が、あとからあとから発生してくる。発疹がでたら、その都度、抗ヒスタミン薬を服用するつもりだった。けれど、ずっと消えないので朝夕服用しなければならない。
そして、最悪のタイミングでトイレの排水が止まらなくなった。
私は、本来ならば衛生的に過ごさなければならない。土いじりはおろか、トイレのタンク内を掃除するなどもってのほかだ。
私が止めなければならないのは排水ではなく、発疹なのだが。
今夏の暑さと湿気でタンク内はべったりとした肉厚の黒カビだらけだった。それが、悪さをしていたようで、ゴムパッキンはぬるりとしていた。交換して半年くらいだろうか。だから、ゴムパッキンの寿命ではないのは解っていた。
このトイレは一式、通販で買った。便器から、便座から、タンクまですべて。一日がかりで家族三人で施工した。だから、構造は理解している。陶器のタンク内にはプラスチック製の、もうひとつのタンクがある。
三年毎くらいで、プラスチック製のタンク内タンクを、全とっかえしたい気分だ。あとで調べてみよう。
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