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果実の垂直運動

気温が少しずつ上がってきて、
我が家の敷地も、たくさんの生命の勢いに包まれている。

住み始めて以来、季節ごとに感動していた庭のザクロも、
冬は葉を落としていたものの、
赤茶色の新芽をつけ、いっきに緑色の葉に包まれた。

そこに、真っ赤な実がなりはじめたと思ったら、
固い固い、蕚(がく)だった。

ザクロの萼が開く前

少しずつ開き、薄くて柔らかな、花びらが出てくる。

萼が開き、花びらが出てくる

花びらは簡単に垂直に落ちて、萼の根っこが膨らみ、あの大きな実になるらしい。

柔らかな花びらはふわりと地面に落ちる



敷地内の梅
金柑かな?
家の外壁に蔦っている葡萄はあと少し
大家さんの畑のそら豆。未収穫分。


私たちは今か今かと収穫時期を待っているけれど、

実はどれも、丸く、重たく、
いずれ地面に黙って落下し、
そこから上空へ芽吹く、次の生命のサイクルを待つのみ。
そこには感情や意志など、意味もないし、
ただひたすら、過不足ない上下運動があるだけ。


私も、
随分と丸く重くなった。

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