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甘夏ピールの天国と地獄

 数年ぶりに、甘夏のピールを作ってみた。
 数年前までは毎年のように作っていて、春の風物詩のように思っていた記憶があるのだけれど、ここ数年作らなかったのは何でだったかな。ともかくこのところあまり体の調子が良くないので、何か気分の上がるようなことをしようと思い作ってみた。

①まずは甘夏の皮を1日ほど水に浸しておき、水から煮て三回ゆでこぼす。

水で煮ている。少々鍋のサイズが小さかったかな。

 この作業により、甘夏の香りが部屋に充満するのだけれど、これが本当に至福。なんだか気分が上がる。
 ここで飛んでしまった香りは、もう皮には戻らない。仕上がったピールは、口に入れて噛めばもちろん甘夏の味も香りもするが、置いておくだけで匂い立つような強い香りというのは感じられない。
 煮る工程で出る香り。あの溌剌とした柑橘の香りを存分に吸い込めることは、ピールを作る楽しみの重要な要素の一つだ。

②皮を細切りにする。軽く絞って重さを計り、皮の70%ぐらいの重さのグラニュー糖と共に鍋にいれる。蓋をして弱火で煮る。

洗い物やら夕食の仕込みやらしつつ、時々蓋を取って箸でかき混ぜる。
だんだん水が出てくる。

 ネットのレシピを見たら、砂糖の量は茹でた皮の80%というのが出てきたので、甘さ控えめが好みの私は70%でやってみた。もっとも、計量中にちょっと色々あって正確に測れず、だいたい70%ぐらいという程度。
 まあでも、水で茹でた後の皮の重さなんて、水の切れ具合手のしぼり加減で変わる。これは茹でる前の重さとの対比で考えるべきだったか…どちらにせよ、煮てる間に味見して調整すれば万事オッケー。

③20分ほど煮てわたの白い部分が透明になってきたら、蓋をとって水分が飛ぶまでさらに煮る。掻き回した時にもったりと重くなり、鍋底に水分が無くなったところで火を止める。

キッチンに立ちっぱなしで家事したりネット見たり書いたり本読んだりしつつ、
焦げないように見守っていた。これは火を止めた直後の画像。

 昔、仕上げた後にやたらと水気が気になった年があり、ベトついて保存にも困った記憶が残っているのでここは丁寧に気を遣った。

④しばらく鍋に放置し粗熱が取れてから、キッチンペーパーに広げてさらに水分を飛ばす。このあとは、砂糖をまぶして瓶詰めにしたり、冷凍したり、ケーキやパンに入れたりチョコレートでコーティングしたり、このまま食べたり。

改めて広げてみたら、思ってたより量が多くてびっくり。
我が家の半年分ぐらいに相当しそう。

 たいていのレシピには網に載せて乾かすと書いてあるのだけれど、うちにある網っぽいものといえばオーブンのグリル焼き用のやつしかないし、砂糖がこびりつくと洗うの大変かなと思ってシートに載せてみた。シートの接着面は乾かないので、半日おきに天地替えみたいなことしてるけど、結局これもこれで手間かかるじゃんと思ってるところです。今。

お楽しみ

チョコレートとラムとの相性が地獄であり天国

 甘夏のピールにチョコをコーティングすると美味であり、それと共にラムやブランデーなど呑むと悪魔的に美味だが、まだ乾燥していないうちにコーティングするのもどうなのかなと思い、今はチョコと一緒に食べている。作った初日はテンション上がりすぎて、ラムを飲みすぎてしまい、翌日が地獄になった。普段飲まない強いお酒って、どのくらい飲むとどうなるのかがよくわからない。二、三十代の頃はもっとお酒に強かったけど、やはり年取ると弱くなるというのもある。
 もっとも、「あー酒弱くなったなあ」などと感じるのもまた人生の味わいであり、加齢の醍醐味だなあとも思う。

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