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食事は美味しい。けれども太る。動くのは楽しい。けれども …

 5キロ太った。約一年間で5キロ。
 その前には、約五年ほどかけて10キロほど減量したのに、台無しだ。しかもまだまだ減量する予定だったのに後戻り。3歩進んで2歩さがる、こんなこと繰り返してるうちにもう50歳目前。目標にたどり着く前にそのうち寿命が来るんじゃないか? と思う。
 けれども幸せは、歩いてこない。だから歩いて行くんだね。

 敗因は体力低下とそれに伴う怪我と体重増加の肥満スパイラル。今より10キロ軽かった20代の頃とは、太る要因も解決法もまるで異なる。若くて軽い頃はとにかく動けば絞れたけれど、年取って重くなると走ったり踊ったり自転車に乗ったりと動くことが体を痛める要因となり、傷めることによって動けなくなって太り、体重の負荷がさらなる怪我を招く。
 いやあ、まったく、年はとってみるもんだと思う。私は介護職の経験があったから、高齢者のフレイルの危険性や骨折による長期療養が寝たきりを招くなどの知見はあったものの、自ら経験してみるとそのコントロールの難しさが身に染みる。

 昨年、肋骨にヒビが入った時には本当に難儀した。何をするにも痛みが走る。体をひねるのが一番ダメだが、腹圧がかかるのもだめで、ただ真っ直ぐに立ってるだけ座ってるだけでも腹圧がかかるので、腹を突き出した妊婦のような姿勢で過ごすほかなかった。鎮痛剤を飲みサポーターを付けて暮らしていてもしばらくはそんな状態で、これが筋力低下を招いたと同時に「人間、いかに腹に力を入れないと生活できないものなのか」ということを知る良い学びになった。とにかく、力がかかるたびに痛むのでその度に「お前か」「またお前か」「お前こんな常に頑張ってたのか」と思わされることになる。
 もっとも、肋骨のヒビは時間が経てば治るので、あくまで期間限定の忍耐だ。少なくともこの年齢なら自然治癒は可能。

 最近は足首を痛めてしまって、足を使わずに体重を減らすことに難儀している。
 しゃがんだり階段の上り下りが一番ダメで、歩けば歩くほど歩けなくなる。これは経験上、時間が経っても解決されず体重を落とさないと問題解決にはならない。
 なるべく歩行の時間を減らして、替わりにバランスボールの上で過ごし、時々足湯する。足湯すると、ふくらはぎがそのたび感動を訴えてくる。足湯は感動的だ。ビリビリと痺れて血流が動く感覚はまるで、長時間正座を強いられていた後に感じる足の痺れとよく似ていて、長時間抑圧されていた血流がようやくリリースされたという解放感。いやどんだけ体重がお前に負担かけてんだよって思う。ごめんなふくらはぎと足首。

 若い頃も若い頃なりに思うように動けなかったし、もっと痩せててもそれなりに気になる部位は常にあったけどレベルが違う。
 ほんとにねえ、年はとってみるもんだと思うよ。

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