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衰えたことを認めよう

視力が衰えた。

と感じることが最近とても多くなりました。

息子を40歳で産んだその日から始まった老眼。ますますひどくなる一方で、100均で買った1.0では間に合わない。この頃は1.5または2.0の老眼を使わないと見えないようになってしまった。

つい数ヶ月前までは「日常生活では困らない程度」と言えていたのに、ここのところ、もう夜にならなくても小さいものが見えない。明らかに首から上の頭部をズリッと後ろに移動させる動作を日中からやるようになりました。

だからかな。肩こりもひどい。

50にもなっていないのに、これじゃあ、70になった頃はいったいどうなってしまうのか。まあ、細かいものを見なければぜんぜんだいじょうぶ。・・・なはず。


息子がお世話になった幼稚園の先生から、衣装づくりの依頼がきました。
さて、ミシン。見えない。「メガネ、メガネ。」

息子が赤白帽子の「ヒモが切れた」と必要な日の前の晩に言い出しました。
さて、針に糸。通せない。「メガネ、メガネ。」もちろん糸通し機という便利なものがあるけれど、それさえボヤけて見えない。

スマホは太くて大きな字で表示されるように設定を変更し、パソコンやタブレットも見やすいように調整しています。

と、書いていて今思いつきました。
どうして急に視力が衰えたか。

そういえばここのところ、毎晩のようにベッドで仕事をしています。iPadで。

息子を寝かしつけながらベッドの上の暗闇の中仕事をしたり、読書をしたり。

これまでもやってきたことですが、最近新しいカバーを見つけたのです。純正のカバーは、キーボードに明かりが付かなかったせいか、やりにくいなぁと感じながらさっさと閉じて寝てしまうことが多かったのです。

それが、新しく手に入れたものは、キーボードに明かりがつく!しかも段階的に調整できる。使いやすい。
となると、昼間にできなかったことをいくらでも「夜やればいいじゃん」的な思考になってしまい、ベッドの上の暗闇の中での仕事タイムが増えてしまったのです。

(しかしこれは重いので、電車や徒歩で移動する人には向きません。そしてキーボードは打ちやすいですが、場所を取ります。行きつけのカフェのテーブルが広い場合はOKです。)

これだ。これは目に悪いに決まっている。これが原因だ。これしかない。

これを辞めれば衰えは止まるはず。私はまだまだ行ける。若いし視力は戻らなくても、老眼の進み具合は抑えられる。こんな急激に衰えるはずがない。


そして今朝、それを覆す事件が起きたのです。

10月5日(水)朝日新聞 朝刊(岐阜の面)
目に入った写真。
そこにはおじさまが二人並んで、大きなテーブルの上に手を置き、前のめりになって作業をしています。パッと見た見出しには「クリーニング」の文字。

ああ、岐阜にはこういうクリーニング店があって、このおじさまたちのような職人さんがいるんだな。その紹介をしているんだな。

そう思って次から次へと紙面をめくり、トップニュースの一面に戻ってきました。

私は新聞を最後の紙面からめくり、最後に一面を楽しみに見る、という習性があります。そしてひととおり見た後、再度興味のあるところをじっくり読みます。

ふたたび、あのおじさまたちのページへ。

あれ??よーく、よーく見ると、テーブルと思っていたのは何か違う。魚の骨??
よーく、よーく読むと、

前脚以外ほぼ生息時の状態
瑞浪で発掘の海生哺乳類「クリーニング」中間報告
2022年10月5日 朝日新聞 朝刊 21

「クリーニング」というカタカナにしか目がいかなかったのはなぜだ。おじさまたち、ごめんなさい。

約1100万年前に絶滅したと推定される「パレオパラドキシア」の化石をクリーニングしていたのでした!まさかそんな大昔に生きたパレオパラドキシアが、現代の洗濯物と間違えられるとは。心外だろうな。

いやその前に、クリーニング屋さんと間違えられた博物館の研究チームの方々、申し訳ありませんでした。いやいや、それもクリーニング屋さんに失礼か。


ああ、完全に衰えた。うっかりすっかり。見間違え、勘違い、思い過ごし、思い違い、思い込み。

ショックから立ち直るまでに数秒かかりました。
衰えは認めないといけません。

そしてつい先日、「お弁当つくるの忘れた事件」があったばかり。「信じられない」と娘の放った言葉が痛過ぎて、痛過ぎて。まだそのトゲは心に刺さったまま。

軽いショック症状から立ち直り、気づけば娘の出発20分前。
新聞を閉じて、慌ててお弁当を作った、爽やかな秋の朝なのでした。



帰ってきた息子と早速調べた「パレオパラドキシア」。二人で何千万年も前の時代に想いを馳せて、楽しいひとときを過ごしました。ありがとう、見つけた人、研究してくれた人、クリーニングしてくれた人。

Wikipediaより

発掘レポート

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