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キラキラと惨めさ、幸せと罪悪感

私はEd Sheeranの曲が大好きです。娘にも彼の曲をたくさんリクエストして、ギターで弾いてもらいます。

2 月号のEJ(ENGLISH JOURNAL2月号)を開いて大喜び。Ed Sheeranのインタビューが載っていました。

内容があまりにベストタイミングだったのでここにまとめておきます。

思春期の娘が不調な理由は少しこんな理由もあるんじゃないか、と思い始めていた今日この頃。

ソーシャルメディア全般にこういう「人生は完璧」というキラキラした部分があって、他の人たちみんなを惨めな気持ちにしてしまいます。

ENGLISH JOURNAL February 2022

最近、このようなSNSの見過ぎによる弊害が新聞にもよく掲載されますが、若い人たちは特に影響を受けやすく、若い中でも特にまだ娘のような中学生(そして感受性の強い人)にはさらにのめり込んでしまう怖さがあると思います。

もちろんデメリットが全てではありませんが、視野の狭い暮らしをしていると、まるでそれが現実であり全てであると勘違いしてしまいます。私も見ますし使いますし、批判はできない立場ですが、このインタビューの中では彼ほどの有名人が正直に意見を言えるんだな・・・というところに衝撃を受けました。

彼はスマホも持っていないそうです。理由は、誰かと食事をしていたり会話をしていたりしている時にも、邪魔をされてしまうから。このはっきりとした意見と行動にも、続くインタビューの中で彼のお父さんからの教育が影響していることがわかり、納得しました。

You never be late, because you have to respect other people's time. It's not about your time. You'd have to respect…That's not your time that you've eaten intoーthat someone else's time.
絶対に遅刻しないのは、他の人たちの時間に敬意を払うためです。自分の時間が問題なのではありません。敬意を払う必要が・・・。無駄にするのは自分の時間ではなく、他の人の時間なんです。

P.70 Interview Ed Sheehan ENGLISH JOURNAL Feb. 2022

徹底してSNSを辞めることもできず、スマホを手放すこともできず、Wi-Fiにおぼれてゆらゆら浮かんで流されているだけの自分。ちょっとなんだか子供の頃にお父さんにお箸の持ち方を怒られた時のような苦い気分。そんなことを味わうことができるのも、私が平和な世の中に生きているからだなぁと実感します。

たった数ヶ月前に今の私と同じ環境にいた人たちが、今は家に帰ることができない。友達と遊ぶことも、家族を失い絶望のどん底にいる人もいます。相手は自然ではなく、人間。本当に信じられない現実です。

英語の雑誌を読みながら好きな音楽を聴きながら、「遅刻しちゃいけないよね」「SNSも見過ぎは良くないよなぁ」など考えていられる私は本当に平和ボケしてしまっているのだと思います。

最近、幸せを感じると同時に罪悪感を感じてしまう。かといって行動を起こすわけでもなく、寄付をするだけで精一杯。こうして公に向かって言葉を書くからには何か「メッセージ」がなくてはならないのではないか、と勝手に考え込んでしまいます。

もっと淡々と書いてみようと思うのだけど、やはり意識してしまう。実は出だしは2月に書いたもの。そこに文章をつなげていくと、あの時になかった「戦争」という現実に無意識につなげていました。

今日、47回目の誕生日を迎えました。ここ数年前から自分の誕生日には母に伝えている言葉があります。「47年も生きてこられた丈夫な体を生んでくれてありがとう」

来年は伝えられないかもしれない。でもまだまだ何十年も伝え続けられるかもしれない。それは誰にもわからないけど、ひとつだけ言えるのは、母に直接伝えられなくても、私が生きている限り、毎年誕生日が来るたびに母を思い出し、感謝のことばを口にすることはできる。

何が起きてもおかしくない今日この頃。今年の誕生日も気を引き締めて(身も引き締めなくちゃ)母に電話をしよう。意外と緊張するし、まだまだ恥ずかしさが抜けない47歳なのでした。

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