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ピクルスと桜

黙ってたって、夏も秋も冬も
勝手に過ぎていく


桜も咲く時期だと言うのに
まったく私に春なんぞ来やしない

"止まない雨はない"
"明けない夜はない"
誰がそんなこと言ったんだ。

ハンバーガーのピクルスを退けて食べる僕は
ずっと子供のままで…

お酒が飲める年齢になれば
普通に大人になると思ってんだ

BARのカウンターでカクテルとか
部下に偉そうにしている
そんな大人になりたいとは思わないけどね。

少しはわきまえて
余裕のある行動ができると思ってた


全然違う僕になってた。

テレビのバラエティとか
"くだらない"
言ってみたいけど…
普通に笑う。

ひとりでいることも
平気で
買い物するのも
センスで決めちゃって…
そんな感じ?
ウケるほどまったくない。

オムライスでときめいたり
パンケーキで喜んでる

ブラックコーヒーとか
苦いし
カッコつけて無理して飲むけど…

悲しいくらい笑っちゃう。
大人になれない。

苦しみからにけてばかりだと
人の痛みも想像できない
そんな大人なら
子供の方がマシだけど。


幼い心はいつも傷つくし
黙ってたって苦しいのに


こうやって大人になれずに季節は巡る
今年も桜は咲くけど…
まだ僕はピクルスを退けている。




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