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目に見えないコミュニケーションで人々をつなぐ無線機販売代理店(後編)

離れた場所にいる人同士の通話を成り立たせる無線機。その販売代理店であるグローバルメディアは多くの人たちをつなぐ架け橋の役目を担う中で、どのような価値を生み出しているのか。(前編はこちら)


株式会社グローバルメディア 代表取締役 松本利之氏
聞き手:
北村真吾/中小企業診断士

取材日:2017年7月11日 掲載:旬刊政経レポート2017年9月15日号)


 一般的に販売代理店は「製品を売って終わり」になりがちです。御社が顧客企業から支持され続ける秘密は何ですか。

 製品を使う現場の人のことまで考えた提案力にあると思います。この提案力で現場の人たちにとても喜んでもらえた思い出があります。
 以前、大阪湾に面する石油コンビナートから、現場での無線通信の使い勝手が悪いとの相談を持ちかけられました。このコンビナートは幅が2km。石油を積んだ10tタンカーが出入りする中で約500人が働く巨大なものでした。
 相談内容は、敷地の端から端まで電波がどうしても届かず、仕方なく現場の人たちはタンカーの計器に表示された数値を紙に写し取り、電波の届く場所まで移動して報告を行っていること。
 また、石油を扱うコンビナートでは使える無線機も制限を受けます。爆発を防ぐため、微弱であってもボタン操作による放電があってはいけません。ここでは引火の可能性がある場所には無線機を持ち込まないようにしていました。
 当社がアンテナを立地条件に合うものに変えて敷地全体を電波でカバーし、放電しない本質安全防爆型無線機を提案したことで、やっと誰でもどこでも無線機を使えるようになりました。
 コミュニケーションと利便性の高まりを喜んでくれた現場の人たちの表情が今でも忘れられません。

無線機を購入した会社にアフターサービスも一括して頼れると安心ですね。

 当社は顧客企業の定期メンテナンス時期と業務状態を常に把握するようにしています。また、電波法改正やデジタル化にもいち早く対応しています。都会のテレビ局が系列地方局に当社を紹介してくれるのは、この安心感があるためでしょう。

他にはどんなコミュニケーションに取り組んでいますか。

 メーカーとユーザーとのコミュニケーションです。よりよい無線機を開発したいメーカーにとって、「土砂降りの中で使えるレベルの防水機能がほしい」「長時間耳に当たり続けるイヤホンはこういう形状であってほしい」など現場の声は貴重です。メーカーと一緒にこれらの要望を聞き取り、製品開発に役立てています。
 メーカーとユーザーの間に立つ販売代理店の役目は、よりよいコミュニケーションを実現させることです。彼らより先を見通す目を持つため、販売代理店こそ積極的な情報収集が必要だと私は考えます。

松本社長には、周りの人が何でも話しやすい雰囲気があります。

 確かに若い頃から目上の人や年上の人に可愛がられてきました。思えば先輩の紹介で商売が始まることが多かったです。私は4人兄弟の三男として育ちました。人に嫌われることのない、言い方を変えれば要領のいい性格は幼少の頃に養われたのでしょう。
 あとは鳥取県民としての資質でしょうか。私も妻も境港出身です。都会で働き生活をしているからこそ、鳥取県民ならではの資質に気づきます。あまりでしゃばらない一方で、歩み出したら初志貫徹する我慢強さです。そんな私の中の県民性が都会で評価されているのかもしれません。

先日は仕事で松江に来られたそうですね。こちらの風景はいかがでしたか。

 仕事ばかりではないですよ。2年前のGWには家族で関金温泉に泊まりました。私の趣味は大阪の自宅での植木です。山陰に帰ると緑が本当に美しく、のんびりした気持ちになれます。

グローバル4

(おわり)


【企業情報】
株式会社グローバルメディア
代表取締役:松本利之
事業内容:無線機販売代理業
所在地:大阪府豊中市北条町3-2-35
従業員数:9人
資本金:1000万円

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