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肩関節拘縮の評価と運動療法 第1章 ①基本的骨格構造について

本物とか、天才っていうものが存在するんだとしたら赤羽根先生はそういう言葉が相応しいセラピストだと拝読するたびに感じます。

何度読んでも新たに発見があるこの本を今回は選んでみました。ですが、内容があまりに多いので、肩関節複合体の解剖からまとめていきたいと思います。


第1章 肩関節の基礎知識


肩関節複合体


・関節機能は解剖学的な関節と、機能学的な関節とに大別される

解剖学的関節 = 滑膜や関節包が存在する本来の関節構造

肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節


機能学的関節 = 解剖学的関節の機能の補助、効率化する役割

C-Cメカニズム、第2肩関節、肩甲胸郭関節


腱板疎部 = 肢位変化により内圧を変動させ関節運動を安定させる



基本的骨格構造


①上腕骨周囲の解剖


関節包の付着部位

・関節包前方:大、小結節の近位〜解剖頚にかけて付着

・関節包後方:Bare areaの外周にかけて付着

(*BARE=裸の、むき出し、の意)

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関節上腕靭帯

・関節包の一部が肥厚し、靭帯様の弾力性を有した線維のこと

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⑶上腕骨近位端の解剖と停止腱

・大結節は3つの面に分かれる

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a)Superior  Facet:棘上筋の付着部

・停止腱は大結節の最前部に停止し、一部は小結節にまで到達する

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b)Middle  Facet:棘下筋の付着部

・横走部と斜走部の二頭が存在し、最も強靭な停止腱は大結節の前縁にかけて幅広く付着する

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c)Interior  Facet:小円筋の付着部

・上部筋束では、大結節の下面に付着

・下部筋束では、上部筋束付着部の下に広がって付着

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d)小結節の前面〜上面:肩甲下筋の付着部

・舌部と呼ばれる部分は上腕骨頭窩まで到達する

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②肩甲骨周囲の解剖


・上腕骨と肩甲上腕関節、鎖骨と肩鎖関節を構成している

・肩甲骨の各部位は、2面3縁3角で表現される


2面(肋骨面・背側面)

・肋骨面(肩甲下窩)には、肩甲下筋が起始している

・背側面の棘上窩には、棘上筋が起始している

・背側面の棘下窩には、棘下筋の斜走部肩甲棘の下縁には棘下筋の横走部が起始している

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3縁(上縁、内側縁、外側縁)

上縁

・烏口突起基部〜小結節、大結節にかけて烏口上腕靭帯(CHL)が付着

(腱板疎部から棘上筋腱の上下に肩甲下筋腱の前後面に広がりながら付着することで腱板を補強

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・烏口鎖骨靭帯の菱形靭帯は烏口突起基部全体に付着、円錐靭帯は烏口突起内側後縁に限局して付着

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・烏口突起先端には烏口肩峰靭帯、上腕二頭筋短頭腱、烏口腕筋腱が付着し、後二者は共同腱となっている

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内側縁

・内側縁には肩甲挙筋、菱形筋、前鋸筋が付着する(発生学的には体幹の筋肉という位置付け)

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外側縁

・外側縁には小円筋、大円筋が付着する

・小円筋上部は肩甲骨外側縁から起始し、小円筋下部は棘下筋との間の筋膜に起始している

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3角(上角、下角、外側角)

外側角

・外側角にある関節下結節には上腕三頭筋長頭腱が起始している

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③鎖骨周囲の解剖

・鎖骨は胸骨と肩峰の間にあるS字状の骨

肩甲骨とは肩鎖関節を、胸骨とは胸鎖関節を形成している

・筋付着…

 ⑴鎖骨外側1/3前縁には三角筋が付着する

 ⑵鎖骨内側1/2前面には大胸筋鎖骨部が付着する

 ⑶鎖骨胸骨端には胸鎖乳突筋が付着する

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…さ、今日はここまでです。

新たな技術を学ぶこともいいですが、元になる解剖がしっかりしていないと安定した治療効果を出すことはできないんだなあと感じる内容でした。


次回は解剖学的関節と機能学的関節に対して学んで行こうと思います。

それでは✋



◽️肩関節拘縮の評価と運動療法 (運動と医学の出版社の臨床家シリーズ) 赤羽根良和(さとう整形外科病院) 

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