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肩甲骨の評価の解像度を上げる触れ方のコツ

【肩甲骨の動きを解像度高く評価できる方法を解説します】

肩甲骨の動きは、肩を安全に機能させる上で非常に重要であることは周知の事実です。臨床では、肩甲骨の動きを拡大させるための評価や治療が行われます。

「拡大させる」という表現の通り、肩甲骨の動く範囲を広げることが一般的に良いとされています。

しかし、肩甲骨が大きく動くことだけでは不十分で、重要なのはリアルタイムでの変化を捉えることです。その評価をするには肩甲骨の触れ方がかなり重要です。

今回の記事では、肩甲骨の面挙上時における肩甲骨の動きの変化を把握するためのコツについて解説します。


♦︎動きのモニターは”どのように触れるか”が重要

具体的に方法を解説する前に、モニタリングの評価を確度高く実施するために必要なことあります。それが、”どのように触れるか”です。

「どの部位を触れるか」は、スマホのアプリ見たいなものです。一方で、「どのように触れるか」はiOSやAndroidのようなOSと考えといいです。

つまり、いかに優れたアプリでもOSを間違ったり古いものを使うと本来のアプリの威力や性能は発揮されません。ハンドリングやモニタリングのOSの一つである「どのように触れるか」をまずはインストールしてきましょう。

指の骨を平行かつ圧を均一に当てる

指の骨を平行にかつ圧を均等にして触れる

どの部位にも適応できますが、特に骨の動きをモニタリングする場合には、指の骨を平行に当てること、そしてそれぞれの圧力を均一化することが重要です。

セラピストと患者さんの物理的な接点は、皮膚しかありません。したがって、皮膚から多くの情報を得ることが大切です。この皮膚からの情報を最大化するためには、圧力を平行かつ均一にすることが必要です。

骨を平行に当て、圧力を均一化するメリットは、皮膚と骨の間のスペースが揃うことです。患者さんの骨に動きが生じるということは、ベクトルが生じるということです。このベクトルは皮膚の歪みによって検知されます。

セラピストの手の当て方が不適切、つまり指の骨の当て方や圧力のバランスが不均一だと、タッチした瞬間に皮膚に歪みが生じ、患者さんの骨の動きによるものか、セラピストの手の当て方によるものかを判断できなくなります。

逆に、指の骨の当て方と圧力のバランスが適切であれば、患者さんの骨が動いたときにその変化をセラピストは皮膚の歪みやズレなどで感知することができます。

皮皺を跨がない

皮皺(しわ)は基本的に関節が存在する部位に見られます。触れようとするポイントが皮皺になっている場合、先に解説したように骨に適切に接触していない可能性があります。

もう一つの理由は、関節(皮皺)の近位側で関節運動が起こると、遠位側の皮膚の動きが逆方向になり、センサーの誤作動を引き起こすことです。

「皮膚運動学」という概念があり、これによると関節が動く際には皮皺に皮膚が集まったり、逆に離れたりする動きが見られるとされています。触れる部分によって皮膚の動きが異なるため、適切な判断が難しくなります。

♦︎肩甲骨の動きのモニタリング方法

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