見出し画像

遊佐田んぼクラブ 草取り

生活クラブのお米は、品種や農法、生産量や価格まで組合員と生産者が話し合って作られています。

生活クラブ神奈川では、組合員が産地の一つである山形県遊佐町に足を運び、お米作り(田植え、草取り、稲刈り、脱穀)を行う「遊佐田んぼクラブ」に毎年取り組んでいます。

6/8日(土)~9日(日)

田んぼクラブの草取り作業(1回目)を行いました!

(執筆:遊佐田んぼクラブ事務局)

6月にも関わらず、真夏のような暑さと晴天が広がる遊佐町にて田んぼに生えた草取りの第1回目を実施しました。

6/8(土)草取り
生産者より、雑草はそれほど生えていないとのお話がありましたが、いざ田んぼに入ってみると稲と見分けがつかない雑草が多く確認できました。

特に稲との見分けがつかないのはヒエです。稲には葉身という膜状の突起や葉耳という毛が生えていますが、ヒエにはないと説明があり、実際目を凝らさないと見えませんでした。

田んぼクラブに参加経験のある組合員の方は
ものすごいスピードで田んぼの雑草を取っていました…!

抜いた雑草はどうするの?と疑問に思われる方がいらっしゃるかと思いますが、基本的に抜いた雑草は1つに丸めて田んぼの中に埋め込みます。埋め込む際に足で踏み込むのですが、踏む力が弱いと田んぼのそこから抜け出してしまい、雑草が増える原因となるそうです。

ガス抜き
無農薬で育てる為に、米ぬかペレットと大豆を散布しています。これによって雑草は抑制されますが、田んぼの中からは油膜と、稲に有害なガスが発生してしまいます。

米ぬかペレットと大豆によってガスが溜まっている様子

田んぼを歩くことでガスを抜き、また田んぼの底まで日の光が入るようにします。

草取りの支援作業 (生産者:佐藤俊輔さん)
田んぼクラブの草取り作業の終了後、生産者の佐藤俊輔さんの田んぼ圃場にて草取りの支援作業を行いました。

佐藤俊輔さん
田んぼクラブ圃場の3~4倍の大きさの圃場。
田んぼクラブで使用している圃場以上に雑草が生い茂っていました。

田んぼに絡みついている雑草が多く、いくら前に進んでも田んぼの1/10ほどしか進んでおらず、心が折れる作業でした。お米を作る作業がどれだけ大変か、除草剤や農薬を使えってしまえばどれだけ効率的で楽に終えられるかを実感しました。

実際に生産者はこの作業を黙々と1人でされています

6/9(日)パプリカ圃場 (生産者:高橋洸太さん)
2日目はパプリカとアスパラを生産している高橋洸太さんの圃場の視察を行いました。

ビニールハウスには赤色や黄色に実ったパプリカではなく、緑色のパプリカが実っていました。


緑色のパプリカが後に赤や黄色に変わっていくそうで、色が付く前のパプリカを見たのは初めての経験でした。

またパプリカを作る上で、農薬をなるべく使わないために、カメムシやテントウムシを放ち、アザミウマやアブラムシなどの害虫を食べてもらっているとのことでした。

アザミウマはシロツメクサ(クローバー)に付く害虫です。農薬が効きにくい性質の持ち主で、パプリカの実に針状の口を押し当てることにより組織を破壊し、黒く変色させてしまうなどの特性があります。こちらもお米と同じく農薬に頼らない農法で管理されていて時間と手間がかかる作業であること、手塩にかけて作っているため、肉厚で瑞々しいパプリカに育っているのだと改めて実感しました。

除草用アイガモロボット (生産者:今野修さん)
遊佐では、除草ロボットとしてアイガモロボットを取り入れています。

アイガモロボット

これは田んぼの害虫や雑草の除去を目的とした合鴨農法から着想を得ています。合鴨農法を取り入れ、合鴨を管理するための電気柵の導入や、外敵による被害対策、最終的には鴨肉として販売を行う地域もありますが、コストがかかることや鴨肉にしてもあまり美味しくない事もあり、これに代わるアイガモロボットを導入した背景があります。

今野さんより説明を受けました

画期的な方法である一方、田んぼに張っている水の加減や、グーグルマップの稲の位置にズレが生じてしまうと、スクリューがスタック(座礁)したりまっすぐに進まなくなるなど、些細なことで人の手を加えないと作業が進まないこともあり、まだまだ試行錯誤が必要であると思いました。

この記事が参加している募集