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大丈夫だよ

 梅雨が明け、園庭には強い日差しが差し込み、夏本番の暑さを感じます。成城幼稚園の1学期も先週、無事終了しました。
先週までは、下の庭での水遊びや、色水・寒天遊びなど、暑いこの時期ならではの、ひんやり感を味わえる感触遊びが盛り上がり、はしゃぐ子どもたちの笑い声が響き渡っていましたが、子どもたちがいなくなった園庭は少し寂しそうです。

今回は、年中組の子どもたちの成長を感じた心温まるエピソードを1つご紹介させていただきます。
 先日、お弁当の時間にAちゃんが、自分の水筒のお茶をこぼしてしまい、そのことがショックで泣いてしまったことがありました。すると、動けなくなってしまったAちゃんを見たB君がすぐさま行動に出ました。
B君は、クラスのタオルが入れてある棚から雑巾を取り出すと、Aちゃんのところへ行き、床を拭いてあげました。そしてAちゃんに、「泣かなくても大丈夫だよ」と優しく声を掛けてあげたのです。Aちゃんのことを気遣うそのさり気ない声掛け、そして行動力に私は感動し、「B君、素敵!王子様みたい!!」と言うと、B君は照れ笑いをしました。様子を見ていた周りの子どもたちも、「B君すごいね!」、「B君ってAちゃんのPrinceだね」、「じゃあAちゃんはPrincessってこと?」と話に参加してきました。丁度先週英語で、Prince、PrincessなどFairy taleに関する単語を学習したばかりだったのですが、こう言った場で咄嗟に英語が出てくるのも驚きでした。

 クラスで水筒のお茶がこぼれたり、椅子を片づけるときに指を挟んだりという小さなトラブルが色々な場面であるのですが、困っている友達の様子に気が付いた時の、子どもたちの動きの速さはすごいです。床を拭くための雑巾、指を冷やすための保冷剤、涙を拭くためのティッシュなど、必要だと思われるものをすぐに持ってきてくれます。友達の気持ちを理解し、自分がされたら嬉しいことを、相手にもしてあげられる存在へと子どもたちが成長してきているのを感じています。
また、今回の出来事で周りの人がB君の優しい行動に気が付き、認め、一緒に、「すごいね!」と言ってあげられるような温かい雰囲気のクラスになってきたことも嬉しく思いました。
 長い夏休みになりますが、ご家庭でゆっくり過ごす時間の中で、お子さんの心の成長を沢山感じていただけたら嬉しいです。

2024年7月22日公式ウェブサイトに掲載