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【初めての同人誌頒布】迷っているなら刷れ!!【何部にしよう?】


初めての同人誌頒布においてぶち当たる壁はいくつかあるが、中でも発行部数というものは大きな悩みの一つだろう。

ネットを漁れば体験談が無数に出てくる。私も漁った。そして、他の人の体験談はいくらあってもいいなと思ったので、半年前に初同人誌頒布をした私も書こうとおもう。


初めての同人誌を作るにあたって、私もいろいろ調べた。

それらの総括としては「まぁ30部くらいにしておきなさい。それでも多分刷りすぎだけどそのくらいの量なら余ってもどうにかなる」くらいだろう。

そして最後には必ず

「何部刷れば良いのかは、その人の実力とジャンルとSNS人気によります。」と書いてある

これに関しては本当にその通りです。結局のところ頒布してみないとわからない。情報を探しに来た人からすれば「なんだよ」と思うかもしれませんが本当にそうなんです。

また、体験談としては「気合い入れて多めに刷ってしまい、大量に余らせた。最初は控えめで刷っておけ」という教訓が多いように思う。


ここで自分の体験談を語る。

私は普段、百合界隈にいて百合作品の感想をたまに呟いたりしている。

私は創作ができないので、何か百合を発信することはできないかと悩んだ結果、百合作品を紹介する同人誌を作ることにした。「百合に面白さをより多くの人に届けたい」という一心で作った。気合を入れて作った。コワーキングスペースで過ごした時間はもう数えきれない。


さて、何部刷ったのかという話だが、当初は100部を考えていた。今思えばこの時点で刷りすぎだ。

しかし、私の場合制作に結構費用がかかってしまった。

同人誌の印刷は大量に刷れば刷るほど一冊あたりの印刷代が下がる。ただでさえ高めになってしまった頒布価格をこれ以上あげたくはない。

結果、トチ狂った私は最終的に200部でGOを出した、




めっちゃ余った。100部刷っていたとしてもかなり余った。

部数を多くすればトータルで○○円下げられるというのは全部完売した時の話であって、多く刷ったのならその分多く頒布しなければならなくなるし、当然だが、1部あたりの印刷費をいくら下げようが頒布できなければ赤字なのだ。

なので、「最初はとりあえず少なめに刷っておく」は正解だ。これに従うのが良い。在庫を持ち帰り、肩が痛くなることもない。ある程度の目処をつけているなら一旦下限の数で刷るのがいい。





しかし、ネットで「少なめに刷れ」という偉大な先人たちの教えが溢れているのにも関わらず、それでも尚体験談を漁っているあなたは納得していないのではないか?

少なめが正解と分かりつつも「もしかしたらたくさんの人が手に取ってくれるかもしれない」という希望を捨てきれないから、ネットでさらに体験談を漁っているのではないか?心を注ぎ込んで作った可愛い本を、ただ頒布するだけではなく、何かをベットしたくて彷徨っているのではないか?


それならば言おう。

いけ。いってしまえ。刷るんだ。
少なめに刷った後悔と多めに刷ってしまった後悔を選ぼうとしているなら、後者の後悔を選ぶんだ。

もしあなたが10部か30部で悩んでいるなら、30部にした方がいい。50部か100部で悩んでいるなら、100部にした方が良い。


私は結果的に頒布数を見誤った。理由は二つある。

1つは上で挙げたように単純にお金の計算ができていなかったこと。

そしてもう1つは、それでも、より多くの人に届けられるよう準備をしておきたかったということ。

「どうせそんなに頒布できないだろう」という予防線を貼ることは、より多くの人に楽しんでもらえるようにコワーキングスペースでうんうん唸っていたあの時の自分を辱めるような気がしたのだ。

同人誌作成なんて普通の人間はやらない。働きながら数少ないプライベートの時間を注ぎ、寝不足に喘ぎ、うめきながら原稿を作り、わざわざ印刷所に発注して、本を作る、収入を得るわけでもないのにそんなことを誰がする?そんな苦行を誰がする?した。それでもあなたはした。

ただ何かを作りたいのならば、わざわざ発信なんてせずに自分のPCの中だけでやればいい。しかし、あなたは湯水のように時間と熱量を費やし、わざわざ形にしようとしている。どこかの誰かが手に取れるように。

それは少しでも多くの人に自分のメッセージを、解釈を、物語を、知識を届けたいという気持ちがあったからではないか。その気持ちに報いようとするのは悪いことではない。

もし部数をたくさん刷ってしまったとしても、困るのはあなただけだ。家の隅に在庫が積まれ、財布が痛むかもしれない。もし即売会の在庫を鞄に入れて持って帰るのなら、疲労があなたを襲うだろう。だがそれだけだ。誰にも迷惑はかからない。だから世界の誰にも遠慮せずに印刷数を決めて良いのだ。

部屋の片隅に積まれた在庫は、あなたの一世一代の船出に全ベットした勇気の証である。そう悪いものでもない。だから刷るべきだ。




ここまで読んで「私も刷ろう!」と思った方には申し訳ないがあなたの新刊は多分余るだろう。予想発行部数の上限のそのまた先を刷っているのだから多分そうだ。しかし、望みは捨ててはいけない。もしかしたら多くの人が手に取ってくれるかもしれない。それは誰にもわからないのだ。

そしてもしそれが余ってしまったとして、それが心地の良い失敗だったなと思えたのなら、Xで呟いてくれ「迷っているなら刷れ!!!」



蛇足の蛇足だが、一応私が作成した初めての同人誌はメロンブックスでも販売している。もし少しでも百合の面白さに興味があるならちょっとだけ覗いていってほしい。(最近新刊も出ました)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2295067


頂いたお金でグミを買います。グミを食べると人に優しくなれます。私を優しい人間にしてくれてありがとうございます。