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【書籍紹介】バビロンの大富豪 完全対訳版

 ジョージ・サミュエル・クレイソンの名著「バビロンの大富豪」の完全版を翻訳したものです。

 人生に必要なお金をどうするかに答えを出す本書は1920年代に出版された古典とも言える本で、既に多くの方に読まれているものですが、これは可能な限り原書の雰囲気を伝える事を目的に再翻訳したものです。

 原書の英語文章に日本語を併記されていますので細かなニュアンスまで確認していただけます。英語と日本語はフォントの色を変えていますので英語が必要無い方にも読み易いものになっています。

 同じ原書から日本語に翻訳された書籍はいくつかの出版社からも出版されています。コミック版もありますので、試し読みでご自分に合ったものであるかを確認の上お選びいただければ幸いです。本書に関しては余計な解釈や脚色は加えず原書に忠実となるよう翻訳に徹したものとなっております。

お金に関しては定番の書籍で、今後も色褪せる事は無いものです。そして分かり易い内容ですから一度読めば一生心に残ります。読んでおいて損の無い作品です。

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(ここからは余談です。)

内容について

 本書は寓話集と言われていますが、「ショートショート集」と言っても良いものと考えられます。それぞれのお話は保険屋さんが顧客に配布した小冊子に載せられたものです。つまり一般の人々をお金に関して啓蒙する目的で書かれ配られたものです。

 ただ、翻訳して感じられましたのは、著者ジョージ・S・クレイソン氏のバビロンへの憧れと情熱です。クレイソン氏は言うなればバビロン・オタクであったように想像できます。バビロンは古代のいくつかの文献にその存在が謳われており、豊かな冨を持ち、驚くほどの高さの塀に守られ、空中庭園まであると言われました。そしていつしか亡び砂に埋もれて行方不明になっていた都市の一角が砂漠の中から忽然と姿を現したのです。そうであればロマンチックな想像を止める事は不可能でしょう。

 クレイソン氏は、現代のファンタジー小説家がしている事と同じ事を約100年前にしていたと言えるかも知れません。もちろん魔術のようなものは出てきはしませんけれども。その代わりに出てくるのは古代や砂漠のイメージからは想像もできない高度な概念や考え方です。その遠く亡び去った文明のアイデアが時を超えてこの21世紀にも通用するというのですから、当時の事等何もわからないにしても、想像を掻き立てらるわけです。

 もちろんお金や冨の周りにお話は進むのですが、中には大人の淡いロマンスを表したお話もあります。特にお勧めしたいのは後半に出てくるラクダ商人の物語です。私はそのお話をSF小説に仕立てて「奴隷ラムシル」を書いています。試し読みしてみてください。(別の宣伝になってしまってすみません。)


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