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スタッフを信用しない Vol.27

スタッフは駒だとおもっていた。
褒めることは皆無だった。
叱ることばかりだった。
1つのミスも許さないほどピリピリしていた。


そんなある日、売上とレジのお金が合わない。
また合わない。
そしてまた合わない。


お店の売上の一部をスタッフが盗んでいた。


こんなこと書いちゃダメだよね。
でも黒字化と経営を語っていく上で
避けては通れない話だから
言いたくない話もします❗️


1度や2度ではない。
1人や2人ではない。
盗む方法は考えるといっぱいある。


でもわかる。
わかっちゃう。
小さかろうが大きかろうが必ずバレる。


そして嫌な時間がやってくる。
最初はありえない言い訳がいっぱい出てくる。
・知らない人が急に来て持っていった。
→知らない人って誰❗️
・トイレの水が溢れてきて吸い込まれていった。
→レジからトイレ遠すぎだろ❗️
・おじいちゃんが入院して・・・・
→君のおじいちゃんお墓の中でしょ❗️
・彼氏がギターがほしいって言うから・・・
→いやいや それは自分のお金で買ってあげて❗️
・目からウロコでお金がシャチホコに・・・
→ん〜🤔病院行こうかな?



全部実話。



許してくださいと土下座される。
親が出てきて泣いてわびられる。
親子そろって土下座されたこともあった。
みんな涙する。


犯人が見つかっても気持ちの良いものではない。
謝られたって何も解決しない。


中途半端な優しさで
警察に突き出すことをやめる。
必ず返します。と言われる。


警察に突き出すこともある。


でも全額、すんなり返してくれた人は
過去に1人のみだ。
みんなばっくれる。
追えば捕まえられる。
でもいろいろ考えてやめることもある。


遊ぶためのお金がほしい人もいるし
ギャンブル依存症みたいな人もいる。
すごく良い人も
ひとたび生活に窮したり
どうしても工面しなければいけない状況になると
お店のお金が自分で使えるお金だと錯覚する人がいるのも事実だ。


悩んだなぁ。どうしたら良いか。
そしてスタッフたち、仲間たちのことを
24時間365日考えるようになった。


そして
「信用しない」と決めた。


防犯カメラをスタッフに向けた。
レジを防犯対策に切り替えた。
スタッフを採用するときも
お金を盗まないような人を採用するようにした。
(それってどんな人‼️)


とにかく
そうならない仕組みを作るようにした。
その気を起こさせない仕組みが大事だと思った。


そして防犯カメラをみることが増えた。
時間があれば
疑いの目で防犯カメラをみた。
サボっていないか。
変な動きはないか。


ところがそこに映ってるスタッフは
いつ みても一生懸命だった。
お客様から頂くお金を両手で受け取り
全てのお客様に分け隔てなく
笑顔で接したり、会話をしたり。
とにかく手を止めず足を止めずだ。
忙しくてテンパることもある。
それでも逃げることなく
お客様と接していく。


ずーーーーーっとみ続けたある日
急になんか笑けてきた。


ほんとごめん。
褒めることいっぱいあるじゃん。


防犯カメラをみることをやめた。



そして彼ら彼女らの動きや
考え、気配り、姿勢、中身をみるようになった。


「信用しない」と決めたのに
アホがつくぐらいスタッフを信用することになっていく。兄弟姉妹のように。


そしてこの店は赤字なんだ。と告白した。
俺も頑張るから
みんなでなんとかしたい。
人生ではじめてお願いをした。


するとコスト削減するものなんて
もうなかったはずなのに
知恵が出るわ出るわ。


信用するのも信用しないのも
経営者の勝手だけど
本音で話すことは大切だと知った。


『諏訪聖二、黒字独学』
第6条 赤字なら赤字を正直にスタッフに告白する。

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教科書にない赤字店舗を黒字化する10か条
『諏訪聖二、黒字独学』Vol.21-Vol.30(全10話)

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