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多店舗化が決まった瞬間 Vol.22

単月の赤字が決まったのに
楽観主義な自分はなんとかなるかなと
本気でおもっていた。


でも1度でも下がり傾向になったものはそう簡単には上向きにはならない。


そんななか
部下の「いわも」に店の留守番をさせて
当時の専務、兄である寿一社長(以下あんちゃん)と
現ナカダイ社長の「ほしのん」と3人で
1日中ミーティングをした。


会社にある問題を出すという
単純な会議だった。



そこに次々と書きだされていく房の駅の問題。
・事務所で大の字で寝る自分
・無駄なものだらけの事務所
・整理されない自分のまわり
・サボる自分
・品質劣化している野菜が並んでいる
・欠品の放置
・賞味期限切れの商品を販売してしまう現実
・指示待ちの部下
・ヒマでレジに立ってるだけのスタッフ
・私語が多いレジまわり
・それらを注意できない自分
・ホコリをかぶっている商品
・お客様の意見、お申し出は放置
・悪い時は天気のせいにする自分
あげればキリがない。


どんなに書き出しても
それでも自分の心には刺さらない。
ダメなことを突きつけられても
「だってみんながやらないんだもん」と
他責にしながら面倒くさがる自分。



すると「あんちゃん」は
その問題に対してダメ出しするのではなく
「房の駅を多店舗化したいんだよ」と一言。
「房の駅を7店舗にするには何をしたら良い?」
という「あんちゃん」からの質問に なぜ?7店舗?という疑問はさておき、



多店舗化?!
房の駅がもう1つできる?!
え?!いっぱいできる?!
どういうこと?!
頭の中で多店舗化のフレーズが
ひとまわりした後、鳥肌がたった。


それ やりたい!!!!!!!!
という感情が溢れた。


やるべきことがみつかったとき
「このままじゃダメ」が自分の心に
突きささった。


こんな風に人をやる気にさせる方法が
あるんだなって今となってはおもう。


そして問題を放置しすぎてる自分と
向き合うことになっていく。


もう1店舗、増えるとしたら
問題を根こそぎ解決していかないといけないし
自分がいないときを想定して
いろいろなことを仕組化したり
マニュアル化したり、ルール化したり
そうだ!部下を育てなきゃいけない!と
次々とアイデア?というか
やらなきゃいけないことが生まれてきた。


まずは黒字だ。
完璧な黒字にする!と決めた。


房の駅が多店舗化すると決まった瞬間だった。


小さな小さな一歩だった。


そして黒字にするために1番最初にやったことは
コンセプトを決めることや
ゴールや目標を決めることでもなく
水道の蛇口から一滴も水が垂れないように
蛇口をギュっと閉めたことだった。
そしてスタッフにちゃんと締めようと伝えた。


小さな小さな一歩、
いや一歩にも満たないぐらいの
わからない動きだった。
でも今ふりかえると徹底的なコスト管理は
ココからはじまった。
たかが蛇口されど蛇口。
たかが水一滴されど水一滴。



『諏訪聖二、黒字独学』
第1条 蛇口はちゃんと閉めて、みんなにちゃんと締めようと伝えよ

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教科書にない赤字店舗を黒字化する10か条
『諏訪聖二、黒字独学』Vol.21-Vol.30(全10話)

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