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マネされたことに苛立つエンジョイピーナツVol.36


6年前、ハワイアンホーストみたいな商品を作りたいとおもい、ハワイの工場見学が決まった。そしてハワイ出張のために10日間のスケジュールを空けた。ところが工場見学は直前になり、キャンセルになった。時間が大きく空いた自分は行ったことがないニューヨークに行きたいと兄である寿一社長にお願いをした。理由はいろいろあるけどニューヨークを観てみたいとおもった。


そしてニューヨークへの出張が急遽決まった。
海外に興味がまったくなかった自分はニューヨークに着くなり、いろいろな否定からはじまった。
汚い、臭い、古い、映画の世界とは違って写真と映像映えだけの街。地下鉄も汚いし、何よりも空気が汚い。エスカレーターはほぼ壊れてるし、改札はカードを通す古いタイプで幻滅しかなかった。


この街の何が良いんだ?と疑問しかなかった。
この時は、まさかその2年後に自分がニューヨークに住むなんて。。。。そしてそれが大きく人生を変え、自分自身の力を大きく押し上げるなんて微塵も想像していなかった。
(この時の話は違う章で紹介します😊)


そんな中、ニューヨークで出逢ったのがMandM‘sだった。そして今はなきNYトイザラスだ。
大人になってあんなにお店にわくわくさせられたのははじめてだったかもしれない。




負けず嫌いの自分が嫉妬も妬みも感じさせられないほどの圧倒的な存在感とわくわく感だった。
商品1つ1つの完成度の高さ、
商品1つ1つに感動?感激だった。
何よりも子どもから大人まで全員が楽しんでいる売場に憧れがうまれた。


自分もいつか
こういう売場と商品をつくりたい。
と心の底からおもった。


その感情から生まれたのが
房の駅にあるEnjoyPeanutsだった。


スコップですくう企画に衛生管理はどうなんだ?と
壁が立ちはだかる。
あいもかわらず できない理由が並べ立てられる。
世の中に落花生屋が何百もあるなかこんなことをやっているところはどこにもない。前例がない。
だからと言ってあきらめる理由にはならない。
味の種類は?デザインは?賞味期限は?
価格は統一?無理ですよ。。。。
問題だらけですよ。


うるさいなぁー
やるって言ったらやるから。


やりたい とおもった世界では
やらない理由なんて
どうしたらできるかの過程にすぎない。



ネーミングは純粋に
みんなにピーナツを楽しんでもらいたいという
想いを込めた。
つくり手、農家へ がんばれ❗️という
敬意も込めた。
だからネーミングはすごく緊張した。
千葉を代表する落花生を選択し
落花生農家の人生を変えるほどの試みを
この企画にぶつけた。
1つ1つの味に想いを込めた。
原材料に限らず、中身も
徹底的に磨いたから
1つ1つの商品名に想いを込めた。


だからEnjoy Peanutsは
ピーナツでいろいろな味がついてるとか、
スコップですくう企画がうまくいったとか
デザインが斬新だとか
そんなちっちゃい世界観じゃない。


うまくたの道の駅やローズマリー?
幕張のサービスエリア?などで
クレージーピーナッツ?って名前で
マネされてるよ!って良く言われるけど
ホント、どうでも良い。



だって商品名も違えば
想いも違うし
めざす世界も違うから
一緒にされたくないし
マネされたと言われるのも苛立つ。



Enjoy Peanuts は落花生王国 千葉への想いを
表現してるし
農家の人たちに元気でい続けてもらうための
シンボルだとおもってる。


小さな一歩だけど
Enjoy Peanuts は
憧れの世界への一歩目だ。


そしていつしか
あのMandM’sの売場と商品力に
嫉妬できるように。
そして追い抜く。
そして圧勝する。
遊びじゃないし、目標でもないし、
夢でもない、本気で勝つ気でいる。


商売をしているといきなり結果を求めてくる人ばかりだ。でもいきなりできることなんて何一つない。
最初は理想とは程遠いところからはじまる。
突っ込みどころも満載だ。


でもそんな声には耳は傾けない。
今ある力を全て出し切って
未来を1ミリずつつくっていく。
理想はずーーーーーーっと遥か先だけど
10年かかろうが1000年かかろうが
やると言ったらやる。それだけだ。
出たらおわりなんて そんな商品開発はしない。



『諏訪聖二流、商品開発』
Vol.31-Vol.40(全10話)

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