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いらっしゃいませはお店の雰囲気をつくるための道具ではない。Vol.30

そしていよいよ赤字脱却まであと数万円。
電話が1本なった。
「おたくのお店はありがとうございますもろくに言えないのか?」というお申し出だった。


そして犯人探しがはじまる。


あいつかなぁ〜🤔
それともあいつかなぁ〜🤔
そして ありがとうございますと
言ってないスタッフをみつけた。


普段からシャイで声が小さい。
お客様と会話もほとんどしない。
そしてレジが忙しくなってくると
テンパってありがとうございますの
一声がでない。
悪気はない。


いらっしゃいませ。
ありがとうございます。
この言葉は商売にとってとても大切な言葉だ。
でも なんか言いなさいって言って
出させることにすごく抵抗を感じた。
そして注意できなかった。
いや注意をしなかった。



そして、店長駅長である自分と社員のいわもが
見本にならなきゃいけない!とおもった。



なんで?いらっしゃいませと
ありがとうございますを言うのか?を
徹底的に突き詰めた。
そして答えがみつかった。


お客様への感謝の気持ちを
表現する。


そしてもう1つ。
農家、漁師、工場、包材屋、資材屋、デザイナー
無限の人の協力のもとに作られている商品は
全て 今、目の前にいるお客様のために作られてきた。
そしてそのお客様に手渡される瞬間は
売り手である自分1人だけ。


この当たり前のことになかなか
気づけなかった。


カッコつけて言うのなら
みんなの想いをのせて
お客様に感謝の気持ちを伝えることが
商人の仕事であり
いらっしゃいませとありがとうございますを言う
理由だ。


それがわかった。
そして あとは実践訓練のみだ。


社員のいわもと
挨拶練習だ。
想いを伝えよう。
みんなの見本になろう。


店舗の裏に行き
いらっしゃいませと
ありがとうございますを
田んぼにいる白鳥が全羽飛び立つまで
言い続ける暴挙に出る。


その訓練たるや長いときは1日2、3時間に及ぶ笑。
今なら完全にパワハラ?
いやあれは訓練だった。


声が枯れる。
ノドから血が出る。
意識が飛ぶ。
今でもいらっしゃいませと
ありがとうございますと言うと
声が枯れて出ないほど出した。


いらっしゃいませは
店の雰囲気をつくるための道具ではない。


そしてある日を境に飛び立つどころか
1回のいらっしゃいませで白鳥が全羽、
近寄ってくるようになった。


今風に言うと覇気。
しかも覇王色。

そして あのいらっしゃいませを言わずに
クレームになったスタッフが
いらっしゃいませと自然に言えるようになっていた。
そして店は不思議なことに
黒字化した。


電気のスイッチを点けるか消すか。
蛇口をちゃんと締めるか。
紙を1枚なのか2枚なのか。
1プッシュなのか2プッシュなのか。
もう捨てるのか まだ使うのか。
いらっしゃいませの声の出し方、
スタッフ1人1人のその1ミリの努力の積み重ねが
会社を支えていることを経営者として
忘れることは死んでもない。


ちなみに白鳥へ叫ぶ訓練は2度とすることはなかった。
(なぜならそんなことをするヒマがあったら店にいた方が良いから笑)

黒字化なんて いつどんなカタチで赤字になるか
なんてわからない。でもこの10か条、あながち間違っていないとおもう。



『諏訪聖二、黒字独学』
第10条 白鳥に向かっていらっしゃいませを叫べ
_______________________________________________


教科書にない赤字店舗を黒字化する10か条
『諏訪聖二、黒字独学』Vol.21-Vol.30(全10話)



くだらない話にお付き合いいただきまして
ありがとうございました!
バカ真面目に駆け抜けてきたので
今思い出すとシュールなことばかりですが
当時はこの1ミリに本気だった。
こんなくだらないことを20年間、信じてついてきたバカな仲間たちは誇りであり、自慢だ。
そう言わせてもらえる人生は悪くないぞ❗️

君たちが今、
勉強している無駄な教科書、無駄な暗記、無駄な授業も一緒だ。その無駄だとおもう1ミリの努力の積み重ねが人生を豊かにする。そしてそれが やがて大きな影響力となって人生を動かし、世界を動かす。それは約束する。


しばらくあけて第3章「諏訪聖二流の商品開発」がはじまりますので引き続き楽しんで読んでいただければとおもいますのでよろしくお願いします。この章は永久保存版になりそうです😬

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