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『ひだまり』『ひだまり2』

小社から自費出版をされた著者にアンケートしてみました。本を作ってみての感想などを聞いています。自費出版に興味のある方はぜひ参考にしてください。

今回は2016年3月に『ひだまり』、2023年8月に『ひだまり2』を出版された神吉成子さんにお答えいただきました。

自費出版をしようと思ったきっかけは何ですか?

プールで転倒し、左手首粉砕骨折、手術は成功したものの術後激痛に悩まされ、ヘルパーさんに助けられる生活に自信を失い死にたいと思うようになった時、故郷の兄より、「まだ右手が使える。弱音を吐くな!」と叱咤激励され、エッセイを書きだした。
書いている間、痛みを忘れることができ、いつしか何十編かたまり、たまたま自費出版の広告が目に止まり、これなら私にもできるかなと思い立ち、電話をかけた。

2015年秋、加古川から相談に来られて、いろいろお話を伺いました。1冊目の原稿は、著者の知り合いの青年にパソコンで入力してもらい、Wordデータでの入稿でした。
日々の生活の中、旅先での出来事、テレビで見たニュースから思いをはせたことなど、書かれた1篇1篇がとても面白く、文章の中に時々書かれているご自身の半生も、お人柄がとても感じられる文章でした。1冊目ができてから7年後、連絡をいただき、今度は私が加古川まで行かせていただき、原稿をお預かりして、2冊目は小社で入力からお手伝いすることになりました。

実際に本を作ってみていかがでしたか?

編集者の手厚い援助を受けて完成した本を手にできた時の、今までに経験したことのない特別な成就感を味わうことができたことは勿論だが、それまでの過程で尊かったことが多かった。
1.毎日目標のある生活ができた。特に85歳という高齢でのまるで青春の時のような気分。
2.加齢とともに急速に進む文字・言葉の喪失、誤った記憶などに編集者の指摘や助言が有難かった。
3.過去のことを再考できた 等 他にもたくさん。

文章だけでなく、表紙や本文中に入れるイラストもたくさん描いてこられました。初めは、お手持ちのイラストをとりあえず本文に散らしてみて、初校が出た時点で、本文に合わせたものを何点か書いてこられたので、再校で差し替えました。いい雰囲気になりました。

本を出版された後、ご家族や友人など、周りの反応はどうでしたか?

まず、高齢なのによく頑張ったと賞賛されたこと。贈った方より感想を添えた手紙に近況など書かれていて、淀みがちな生活が活性化した。
兄弟姉妹でわかり合ってたつもりであったことであっても「あの時そんなこと思ってたの!」とか、さらに深くわかりあえた。老人の生活の一端、有り様に若者の反応の意外性がわかった。最後国会図書館より蔵書の報せをいただいたことは、すべてを肯定された思いがあった。

お友達、お知り合いがたくさんおられ、1冊1冊、郵便局のスマートレターで、お友達にも手伝っていただきながらご自身で発送されました。読みやすいエッセイで皆さんにも喜んでいただけたと思います。
もしご本人が発送するのが大変という方は、発送の代行も小社でさせていただきます。
また、小社で発行した本は、すべて国会図書館に献本させていただいております。

神吉成子 著
『ひだまり』B6判・218頁・並製/非売品/2016年3月20日発行
『ひだまり2』B6判・246頁・並製/非売品/2023年8月20日発行