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「薔薇の棘と傷」歌詞解説

1.はじめに

薔薇の花言葉は「あなたを愛しています」。

その内容から、「想い人」という意味合いで「薔薇」をタイトルに加えることにしました。

加えて、その薔薇(想い人)の持つ「棘」を、「裏の顔」「裏切り」という意味合いでタイトルに加えました。

そして、それによってできた「傷」

「傷跡」としなかったのは、癒えたわけではなく、「まだ痛みが残っている」ことを表現する目的があります。

この曲は「想い」を「呪い」と捉え、それによって「(呪いに)蝕まれていく(=想い人を忘れることが出来ない)」という詩世界になっています。

また、細かな歌詞よりも先にタイトルが決まりまして、その字面から90年代からあるようなコテコテのヴィジュアル系を意識したフレーズや表記を使っているのも特徴になります。

2.歌詞解説

これは天使の仮面を被る
悪魔に魅入られた
1人の少年の物語

物語のプロローグ。

ここで出てくる「天使の仮面を被る」というフレーズは、僕の大好きなヴィジュアル系ロックバンドNIGHTMAREの「D線上のトラジェディ」という曲のオマージュです。

曲中ではちゃんと「マスク」と歌っています。

天使の仮面というのは、美しい外見や表情、形になった優しさなど「目に見える魅力」を意味しています。

もちろん、「仮面」ですから裏があるわけですね。

一応説明しておくと、悪魔は先述の「想い人」の隠喩表現です。

我ながらひどいな。

本性を隠した仮面に
惚れ込んだ少年が1人

悪魔は笑い手を差し出す
少年はその手を掴んだ

悪魔が被る、先述の「天使の仮面」に騙され、惚れ込み、呪われるシーンをイメージ。

少年は
禁断の果実に
手を伸ばし
毒された
「薔薇の華が咲く」

前のシーンと次のシーンを繋ぐ、ナレーションをイメージ。

「薔薇の華が咲く」=「恋に落ちる」という意味。

しかし、手を出した禁断の果実(先述の「悪魔(想い人)」を指す。手を出してはいけない存在としての隠喩)に毒される。

つまりは「良い影響を与えない(存在)」ということです。

少年の心に今
芽生えた1つの種子
根を張り心を蝕して
花を咲かせた

少年の心は今
幻想という牢獄に
囚われ抜け出せないまま
ただ朽ちて堕ちゆくだけ

恋という「呪い」に犯され、蝕まれていくシーン。

前半の花を咲かせるというフレーズの意味は前のシーンのナレーションの説明通りです。

後半では恋に落ちた成れの果てを示す内容になっています。

優しい幻想に浸り眠る
目を覚ますことは決してない

時間が進むにつれ
心は天使の虚像に侵蝕される

想いに溺れた様を描いているシーン。

「目を覚ますこと」は「恋が冷めること」を指します。

そして、それを完全に否定する。

それだけ「呪い」が強いことを意味します。

「天使の虚像」というフレーズは先述の「天使の仮面」を指し、つまりは偽物という意味合いで用いています。

ちなみに、この曲の中でテーマとなっている女性と3rd Singleの「侵蝕」でテーマとなっている女性が同じ人なので、ガッツリ「侵蝕」という言葉を使っています。

胸に咲いた真紅の
薔薇は呪いのように
少年の心を蝕む
「カナウコトハナイ」

少年は気づいていた
仮面の裏の姿
それでも想い続けてた
愚かな向日葵

叶うことのない想いを抱き続ける主人公。

そして、その想いを向けた対象の本質を、いつからか見抜いていた。

それでもなお想い続けている、という主人公の純粋さが顔を見せるシーン。

向日葵の花言葉は「あなただけを見つめる」。

その純粋さを、ここでは愚かなものと表しています。

ちなみに知っている方もいると思いますが、僕は音源のジャケットには必ず1つは「花」を描いてもらっています。

まあ余談ですが。

時間が過ぎようと終わりは来ない
時間が進むにつれ毒される

少年の心で新たな
感情が産声を上げる

先述の通り、幻想は覚めないまま物語は一度終わりを迎えます。

3.おわりに

(SE除く)6曲目「薔薇の棘と傷」の歌詞解説でした。

次回は公開している曲の中でも異色の詩世界が特徴の「桜が見た夢」の歌詞解説になります。

よろしくお願いいたします。

それでは、今回は以上!!

あざした!!

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