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「Dead End」歌詞解説

1.はじめに

タイトルは日本語で「行き止まり」という意味があります。

また、「死」と「終わり」という2つの単語を合わさっていることから、「(人生が)死(を選ぶこと)で終わる」という意味も持たせています。

あえて直接的な表現は使いません。

この曲を聴いていただいた方はわかるかもしれませんが、アルバム中最も暗い詩世界のナンバーです。

2.歌詞解説

この夜空の下でまた1つ
終わりを迎える物語

誰の記憶にも残らずに
ただ廃れゆく
悲しい運命

この曲の詩世界の概要をまとめたシーンになります。

論文でいう序章ですね。

ここでいう物語とは「人生」の比喩になります。

つまりは、物語の終わりというのは「死」を意味します。

叶わない想い抱いた
叶わない夢を追っていた
その末に残ったのは
後悔と絶望

傷ついて前を向いて
傷ついてまた前を向いて
進んでく過去の自分
なんと愚かだろうか

未来には何もない

過去の自分の行動を悔やみ、未来に絶望している描写が特徴。

実はサビ以上にお気に入りのパートだったりします。

歌詞と悲壮感のあるメロディー・コードがめちゃくちゃマッチして、胸が締め付けられる感覚になるんですよね。

この歌詞を見て、「いやお前の人生「想い」か「夢」の二択しかないんか」とか思う人もいると思います。

全然そういうわけではないんですけど、音楽を始めるにおいて、また、自分の音楽をやっていく上でのコンセプトにおいて、「想い」が叶った経験の有無って結構大きいんですよね。

もう結婚してたら必死こいて働いて、それこそ音楽自体やっていなかった可能性だってあるわけで。

そういった理由から、「想い」と「夢」という言葉を並べているわけです。

あの時足を止めて諦めていれば
違う未来があった?

完全にこれまでの人生を後悔している心情が表れているパート。

この「あの時」というのが具体的にいつか、思い浮かんでいる訳ではありません。

これから来るものなのか、もしくはすでに通り過ぎているのか。

あの頃の僕は叶うはずのない
夢や想いを抱えて

希望の光に目を奪われ
誘われるまま先へ進んだ

叶わない結末を知った主人公であるからこそ、過去の自分を否定するシーンです。

もう前を向くことに疲れたんだ
叶いやしない
今更

もう叶わない届かない
願いを抱くのはもうやめよう

全てに絶望したパート。

ちなみに、本来のサビの高さより1オクターブ下げているのがこのパートの特徴で、それが歌詞とぴったりなわけです。

また、ここでやっと「願いを抱くのはもうやめよう」という具体的に諦める旨のフレーズが出てきます。

ここまで何度も過去の自分が進んだ道を悔やんでいましたが、心の奥ではまだ希望を持っていた。

しかし、それがここで完全に潰えたということです。

ああ、嘲笑うかのように美しい
夜空が僕を呼んでいる

全て受け入れてこの足を
進める時だ
「終わりか」

ただ思う
あなたの手を取り
進む道があったら

想いも夢も叶うことなく
終わりを迎える
「陳腐な人生」

ここで序盤の「夜空」の伏線回収です。

僕の中では夜空を見上げ、人生を振り返った後に自ら命を絶つシーンをイメージ。

足を進めるのは「死」に向けて。

ちなみにここでも「想い」に関する歌詞が出てきます。

理由は先述の通り。

我ながらやばいなと思うのは、自分が頑張ってきた人生を全否定する最後の「陳腐な人生」というフレーズ。

努力を重ねて、頑張ってきたのに何一つ願いを叶えられない、無力な自分の人生に対する軽蔑。

物語を締めくくる最後の言葉がこれっていうのも、なんだか悲しいけどどこか痺れますね。

ちなみにこの歌詞をこの記事に書き出した瞬間、夜空に関連する別の曲の歌詞のテーマが思いつきました。

天才だな。

きっと世に出るのはそう遠くないでしょう。

多分。

乞うご期待。

3.おわりに

(SE除く)3曲目「Dead End」の歌詞解説でした。

なかなかヘヴィーな内容だったと思います。

次回は「Dead End」と違い(笑)、純粋かつ綺麗な歌詞が特徴の「睡蓮」の歌詞解説になります。

次回もよろしくお願いいたします。

それでは、今回は以上!!

あざした!!


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