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「侵蝕」歌詞解説

1.はじめに

以前記事にしていますが、改めて細かく解説を。

元ネタは、僕が大学時代に想いを寄せていた先輩と食事に行こうと約束をしたものの、「課題やら実習やら忙しいからまた連絡する」という感じの言葉を送られ、結果そのまま「おじゃん」になった出来事。

そんな悲しい想い出から、切なく、そして壮大さも感じられる詩世界を描きました。

「侵蝕」というタイトルは、それだけ相手のことを忘れられず、ずっと想いを寄せつつ傷ついてきたことを表すものになっています。

2.歌詞解説

いつか来るその時を
ただただ待ち続けてた
どれだけ時間が経ち
傷を負ったとしても

必ず果たされると
ずっと信じているから
あなたにまた会える
その時まで

いつか来るその時というのが、いわば「約束の日」。

それを純粋に待ち続ける、というこの曲の詩世界のあらすじにあたるパートです。

あの時交わした
約束は今もまだ
忘れずにこの胸に
しまったまま

あなたの言葉に
少しも嘘はないと
自分に言い聞かせて
ここまで来た

恋心のモチーフとして使われるハート(心臓)を、ここでは「胸」と表記し、それに「約束」をしまうことで「まだ想いが途切れていない」という主人公の心情を表現しています。

また、後述しますが「言い聞かせて」というフレーズから、この時点ですでに主人公の頭の中では叶わない可能性が浮かんでおり、少なからず葛藤を抱いていることが伝わるかと思います。

いつかあなたと描く
景色はきっと美しい
未来に広がる
鮮やかな世界

これからは色のない
時をあなたと2人で
彩るのだろうと
思っていた

約束の日が来て、想い人と時間を共に過ごすことを夢見る主人公の心情が描かれたパート。

しかし、最後の方には、夢が覚め始めていました。

本当はすでに気づいてた
あの時あなたが告げた言葉

優しさ、哀れみを混ぜた
偽りの言葉に隠された真実

「交わした「約束」。それは彼女の情によるものだった」

今まで押さえ込んでいた考えが流れ出るシーン。

約束は果たされた
「忘れるはずがないでしょう?」
あなたは笑って
僕に語りかける

「これからは2人共に」
僕はこの手を差し出した
あなたの手が触れる前に
その夢は覚めた

「「約束」が果たされ、想いが叶う」

と思いきや、それは夢の中の話。

ちなみにこの曲の前に入っているインスト「夢中」はこのシーンをイメージして作りました。

文字通り「夢中(惚れ込んでいる)」という意味と、「夢の中」という意味の2つがタイトルの由来です。

そして、ここから物語はクライマックスへ。

「夢は夢のまま終わる」
残酷な現実だね
知っていたさ
ただ、逃げていただけと

約束は果たされない
変わることない真実
あなたのいない未来
それが答えでしょう?

2つの意味で夢から覚めたシーン。

そして、どれだけ待っていても、どれだけ信じても想いが叶うことはないという現実を実感したシーンです。

あれから時は過ぎあなたはいなくなったのに
忘れられずに胸痛むのは
何故?

どれだけ願っても叶わないならば
消えてくれよ

愛した過去記憶全て
さよならを今、あなたに

彼女がいなくなった後も想いを忘れることができず、苦悩するシーン。

最後の「さよならを今、あなたに」というのは、過去に僕がAmazon Kindleで出していた短編小説のタイトルである「さよならをあなたに」と掛けています。

同じ女性がモデルなのでね。

ちなみにこの最後のフレーズ、元は自ら命を絶つシーンをイメージしていました。

この約束をする前にも1度失恋していて、その日の帰り、ふと線路に飛び込むことが頭によぎったのを覚えています。

今の僕じゃ絶対考えないですね。精神弱すぎか。

3.おわりに

(SE除く)8曲目かつ3rd Singleとしても配信中の「侵蝕」の歌詞解説でした。

次回はアルバムのラストにふさわしい(詩世界の)テーマである「決別」の歌詞解説になります。

よろしくお願いいたします。

それでは、今回は以上!!

あざした!!


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