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櫻坂46の曲だけで宝塚のショー1作作ってみた

えー、坂道と宝塚を兼業しているオタクとして、この妄想が確信に変わった曲があります。
それは、

泣かせてHold me tight!

櫻前線ツアーでもパフォーマンスしていたが、オリエンタルなサウンドが格好よく、ダンスと衣装(黒ベースに腰からレースのついたパンツスタイル)もイスラーム風で、かなりステージ映えする。
 
なので、これ宝塚のショーにも絶対合うな、と思った。歌詞的にもトップスターが小悪魔な娘役トップに翻弄されるシチュエーションとかできるだろう。
るんちゃん天ちゃん、かりんちゃんとビジュアルが端正な男役スターなメンバーもいるし、保乃ちゃんとれなぁの立ち振る舞いは全身から娘役力を放っている。
(最近もそこさくで男装企画をやっていたが男装のひかる君ことるんちゃん、雪組のビジュアルキング朝美絢に通じる目力があったし、小柄だけとダンスにたけた美少年系男役として名を馳せそう。あと的野美青ちゃんの慣れてない感も入団したてのおぼこい下級生男役っぽさがすごかった)
 
宝塚のショーは通常、芝居のあとに50分程度あって、音楽ライブと同様に歌とダンスとステージ演出で魅せていく。旧JやJPOPの曲を使いまくる演出家もいたりするんだから櫻坂「だけ」の曲でショー丸々1作作る想像くらいしたっていいはずだ。
無論ダンスやフォーメーションは櫻坂のコピーではなく独自の振付で。元の曲がいいんだから、それでも十分絵になるのだ。
 
ちなみにお読みいただいているBuddiesに絶対覚えていただきたいワードが「銀橋」。客席最前部に張り出している花道のようなステージ(というか通路)で、ここ専用の照明もあり、銀橋に出てきてキザにファンサしたりする様がスターの見せどころ。メインステージと銀橋を同時に使うことでよりシーンも華やかになる。ライブでいう、メインステージとセンターステージをつなぐ花道と役割はぴったり一致する。

【プロローグ】
Overture・Dead end・Anthem Time
 

ショーのつかみで大切なパートで、主題歌にのって組子全員での群舞を見せる。ちょうど今遂行中のツアー、櫻前線のようにアッパーな曲でテンションを上げていく。
ので、劇場での演出はまずOvertureでダンスにたけた若手男役をステージ前方で順々に(1人ずつスポットを当てる感じで)登場し、Dead endで演者総出のダイナミックなダンス、ついでに2階席まで客席降りもしてしまおう。
 
Dead Endでキメたら場面転換にフレッシュなAnthem Time。超若手有望の男役と娘役のカップルを軸に下級生のラインダンスでつなぐ。1番ボーカルありで2番でダンスで足上げ。
(宝塚ファン的には花組の「BEAUTIFUL GARDEN」での水美舞斗さんがセンターでミツバチに扮していたのシーンをイメージしてもらえれば)

【前半】
君と僕と洗濯物・僕たちのLa vie en rose・心の影絵・断絶・半信半疑

ここは2番手、3番手男役が軸になってポップな場面になることが多い。なので、君と僕と洗濯物でキュンキュンに可愛いカップたちの恋模様という展開ができる。(櫻のライブでもこの曲の演出好きなんだもん)そのまま僕たちのLa Vie en roseをつないで、曲終わりで3組くらい男役娘役のカップルが銀橋に出てきてポーズ決めて暗転(よりハッピーオーラを出すならドローン旋回中もいいかも)。
 
 場面が変わってトップスター軸のシーンになるとクールな演出にしたいので、心の影絵のイントロ流れてトップ登場、「断絶」や「半信半疑」とダンサブルな曲を続けていきたい。このへん、センター付近で踊る演者の脇で、歌の上手い脇役ジェンヌがボーカルをかます演出もよくあるし、それが格好いい。断絶の落ちサビとかで、ステージ奥の階段に陣取った脇役上級生さんが美声をかますとか楽しそう。

【中詰め】
条件反射で泣けてくる・隙間風よ・One-way stairs・何歳の頃に戻りたいのか?

中詰めとは、ショー中盤に再度演者勢ぞろいで盛り上がるタイミングのこと。よってプロローグ同様。ショーごとの主題歌や代表曲をよく使う。
スタイリッシュで高まれる曲となればまず「条件反射で泣けてくる」、疾走感を途切れさせないように隙間風よと続けるが、条件反射を男役だけ、隙間風よを娘役だけでのダンスにして対比させてみる。(隙間風よの櫻坂の手の優雅な振りとか見てると娘役的かも)
盆(ステージにある回り舞台)を回しながらその上で演者が踊るとよりスぺクタキュラーに見えてくる。


 で、何曲か続けてボルテージを上げたところで一呼吸おいて、少人数のスター格メンバーだけでの場面を作るのも中詰めでよくある演出。ここではOne-way stairsで、楽曲にかけて階段風のセットを使えると、平舞台でただ踊っているよりも動きがつく。男役トップが上層のセットで歌い、メイン舞台で娘トップをセンターに主要メンバーでのダンスのような絵面。(一昨年のツアー東京ドームでのるんちゃんとかりんちゃんも超絶に格好よかった)
 そしてステージを再度明るくして何歳の頃に戻りたいのか?で、客席・演者とも溜まったボルテージを開放する。

ちなみに過去には、この中詰めをTUBEのBeach Time、シーズン・イン・ザ・サン、夏を抱きしめて、TMRevolutionのHOT LIMITとHIGH PRESSUREだけで構成したショーもあった(前出のBEAUTIFUL GARDEN)し、去年も月組の「万華鏡百景色」というショーでDOUN TOWNやFantasyなど最近リバイバルブーム中のシティポップの曲を多用したりしている。

【後半】
ジャマイカビール・泣かせてHold me tight!・Start Over!・五月雨よ・美しきNervous


  中詰めはたいてい曲終わりで銀橋とステージ一杯に組子全員が並んで見得を切る。ここから暗転して次の場面に空気を変える必要があるのだが、最適なのがジャマイカビール。
大半の演者が次の早着替えに備えてハケていくとこで、トップ娘役と2番手・3番手男役で銀橋に残ってこの曲をパフォーマンスしてほしい。宝塚的には男役だけでやる方が定番の演出なのだが、歌の主人公は女性なので。(なんなら娘役だけでイケ散らかしたパフォーマンスもありだ)

 メインステージの転換が終わってオリエンタルな泣かせてHold me tight!へ。ここまで大都会が似合う曲ばかり続けてきたので、曲も衣装も中東風に仕立てることでアクセントになる。
 これも宝塚あるあるなのだが、迷い込んだ旅人役の男役を、妖精とか妖怪を擬人化したようなコケティシュな娘役が翻弄する、みたいな場面がしばしばあり、泣かせてHold me tightもそんな設定が活かせそうだ。そこからStart Over!でさらにダウナーなシーンにしていく。中詰めと違ってこの辺の時間帯は、基本的に舞台は暗め。スタオバのサウンドにのせて、砂嵐とか煩悩とかそういう抽象的なコロス的な役に扮した組子にトップスターが翻弄され、力尽きて曲の終わりでセリで下がる…という演出ができそう。
 
 で、宝塚ではこういうダークな場面の後、「死と再生」というか、白系の衣装に着替えたスターが再登場して雄大なナンバーを全員で歌い踊るような構成もよくある。要はエモい演出であり、五月雨よを採用したい。曲調的にも娘役の優雅なフォーメーションダンスが見れそうだ。とにかくショーの終盤で、エモさを醸成していく時間帯にあたり、有力なスターの退団公演ならこの辺で君がサヨナラ言えたって…をソロで歌っていただくこともできる。
 舞台後方では場面転換で大階段を出して行く必要があるので、一旦飾った幕で舞台を仕切って、美しきnervousを娘役だけで披露していただきたいところ。フィナーレに向けて、もう一度気分を上げていく必要があるので、軽快なこの曲を選択してみました。よりブチ上げる感じにしたいなら、若手男役によるコンビナートもよい。ステージ前方で歌っているうちに後方で大階段のスタンバイができてフィナーレに。

【フィナーレ】
摩擦係数・桜月・無念 
 

フィナーレの見どころといえば大階段にずらっと並んだ男役によるダンス。曲に乗って降りてきて平舞台で一糸乱れぬ群舞を見せるまでがThis is 宝塚な様式美で、ここは摩擦係数以外ありえない。


 そもそも本家衣装の白のダブルスーツ自体がタカラヅカ的であるから、こちらも似せてダブルのジャケットにしてしまうのもアレなので、黒とかシルバーをベースに、シャツの胸元開いて色っぽくみせたスーツ衣装なんかで踊ってほしい。るん天が爆イケ散らかしている曲でもあり、落ちサビでトップと2番手のダンスをクローズアップとかしてみたい。
 構成にもよるが男役群舞のあと同様に娘役の大人数ダンス→トップコンビのデュエットで終わるなら、桜月無念でエモく、かつ前向きなナンバーでショー本編を締める。ボーカルなしのインストで魅せてもよい。あとは出演者全員で階段を降りてのパレードを残すのみ。


【パレード】
ドローン旋回中・何歳の頃に戻りたいのか?

階段を使ってのパレードは、センターで歌いがら降りてくるスター格についいて、「1人ずつ違う曲のフレーズを歌う」「主題歌をAメロから歌い継いで降りてくる」の2パターンがある。底抜けに祝祭感ある曲が櫻坂にはあまりないが、ここでドローン旋回中を使ってみる。歌い継ぎながら4番手→3番手→2番手→トップ娘役とスターの格が上がっていって、一旦暗くなってトップスター様登場、というお約束で、何歳の頃に戻りたいのか?で銀橋に出てきての挨拶→本ステージに戻って終演。特別枠で世界には愛しかないも考えてみたが、やっぱり何歳の頃に戻りたいのか?の高揚感が合っている(天ちゃんがトップスターみたいになってきた)。

他にもCool、制服の人魚、なぜ恋、魂のLiar、Microscope、Nobody's faultなど、構成や作風次第でショーに向いていると思った曲多数。
坂道なら乃木坂のシンクロニシティのフォーメーションとスカートさばきを娘役さんで見たくて仕方がないし、Wilderness worldやActually…のようなエッジの効いた曲も向いている。けれど、良曲の蓄積で櫻坂「だけ」でショーが作れるまでになってきた。年次が若くてダンスが得意なトップの組で、本家たる櫻坂メンバーにひけを取らないものがいてたい

宝塚、特にショーの演出家ってほぼ作品について全権監督的にかかわれるので、それぞれの創造性(という名の趣味)を存分に発揮して作品を作れる。実際懐メロを多用する(栗田優香)、LDHや旧ジャニーズとボーイズグループてんこ盛り(野口幸作)、JポップV系アニソン何でもあり(齋藤吉正)と、音楽のバラエティは相当豊かなので、坂道の楽曲だってそろそろ使われてもいい頃合いですよ?見てますか劇団の中の人?


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