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第112回 【筋トレ日誌 その他日々是】103(2021/7/20)▲▲沈まぬ太陽、不毛地帯、大地の子 から▲▲

昨日の新聞テレビ欄に
『山崎豊子原作 大地の子 アンコール再放送』とあり、
久しぶりに本棚から大地の子を取り出してパラパラと読んでみました。


上川隆也さんの大地の子は20数年前に見た時も
世の中にこのような悲劇や不運があるものか、と
見入ったことを覚えていますが、
書籍版も、当時高校生の私は、
定期試験の勉強そっちのけで一気に読み切ったのを覚えています。
その位に、山崎豊子作品は
グッと惹きつけられたら離されない魅力があるのだと思います。


山崎豊子作品は残念ながら全作を読み切っていないのですが、
私が読んだ作品の中での3つを挙げよ、と言われれば、
・沈まぬ太陽
・不毛地帯
・大地の子
を挙げるであろうと思います。


恐らく描写の生々しさ、というか、
フィクションなんだけどノンフィクションに極めて近い筆致に
原因があるのではないかと思います。


山崎さんは取材の鬼とも言われた作家だったといいますが、
一つの描写にも複数の取材を重ねて事実をなぞらえた、
と聞いたことがあります。


合わせて、
架空の主人公ながら現実の人物をモチーフしているところに
リアリティを感じるのかもしれません。


例えば、
沈まぬ太陽の恩地元なら小倉寛太郎氏、
不毛地帯の壹岐正なら瀬島龍三氏(富山出身)、
大地の子の陸一心なら名もわからぬ戦争孤児の数々。


私のセミナーの師はしばしば、
人生を物語化するには他者のストーリーを
大量にストックすることがよい、と言われます。


人生には、上り坂、下り坂、まさか、があるといいます。
もし自分が人生のまさかで、
ナイロビやカラチに異動を命じられたらどうするか、
自身の家族が事故に巻き込まれて不慮の最期をむかえたらどうするか、
戦争に巻き込まれてシベリアに抑留されたらどうするか。


恐らく可能性は低いとは思うものの、
突然他国に攻め込まれて家族と生き別れ、ということも
ないとは言い切れないでしょう。


そんな時に、
他者が歩んだ人生のストックがあれば
どんなにどん底に落ち込んでも希望や未来を見出せるのかな、
と改めて思いました。


そんなことを、
ふと考えていたところです。


ところで、
沈まぬ太陽の文庫の表紙の写真、
撮影者は今をときめく猫フォトグラファー・岩合光昭さんなんですね。

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