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流行っているらしいネットスラング「知らんけど」の話
先日、SNSで話題になっていた記事がありましてね。
どうやら関東のZ世代で「知らんけど」が流行っているらしいという。
いや本当に関東だけなのかよ、というツッコミは置いといて。関西出身の一個人としてちょっと申し添えておきたいことがあるのです。
まず前提として、私は
エセ関西弁だとかは思っていない
基本的に自由に使えばいいと思っている
だがしかし「知らんけど」を多用するなら、理解している身内だけにしたほうがいい
ということを主張したいのです。
確かにエセ関西弁は実際聞くと違和感はあります。
これはネイティブじゃないのだから仕方のない話です。英語圏の人々が日本人の英語をジャパングリッシュと表現するのと同じです。だから私はエセ関西弁だから嫌だとか言うつもりはさらさらないです。
言葉は生き物であり、時代を経るにつれて意味も変わっていきます。私たちが使っている現代の言葉だって、平安時代の人たちからすれば
「どこの国の言葉?」
ってなもんです。彼らがネットスラングだと認識して使っているのならそれは自由です。関東圏の人たちには面白く聞こえるんでしょうし。
ただ私はどうしても言いたいのです。
「知らんけど」だけは気をつけろ、と。
関西圏の人でもこの「知らんけど」を使ってるという人もいるだろうと思います。それ自体は構いません。ただし、私個人にとってこの言葉を多用する人の言葉は一切信じません。
私のイメージする「知らんけど」の活用例をご紹介しましょう。
主婦A「Bさん知ってはるー? 近所の●●さんて旦那さんが浮気して離婚するらしいよー。何かよぉ知らんけど、浮気相手のとこへ逃げてしもたらしいやん」
主婦B「あぁ、何かその話聞いた気がするわぁ。まぁよぉ知らんけど、●●さんも大変やねぇ」
「知らんけど」は「伝聞だけど」「詳しく事実を知っているわけではないんだけど」というニュアンスがあります。けれどもそれ以上に、
私の知ったことじゃないんだけどね
というニュアンスが強く含まれています。彼女らは他人事だから、“よぉ知らん”のです。根拠もない噂を伝聞だけで話せてしまうのです。
つまり、この言葉を多用しているということは「私の話している内容は真面目に聞く価値なんぞないよ」「話題の対象のことは私にとってどうでもいいことだよ」ということをアピールしているということになります。記事にも書いてあった通りの責任逃れですよね。
真剣な悩みを話して、その返答が
「大丈夫だよー。あなたならそんな心配する必要ないよ、知らんけど」
だったら、私はこの人に存在を軽視されてるんだなと感じます。そして二度とその人に大切な話はしません。これが文章であっても(笑)とかwを付け足したってそのニュアンスは変わりません。
関西ネイティブの中には
「そんなん、冗談やんかー」
と言う人もいますけど。少なくとも真剣な相談をしている時に冗談でもそんな言葉を使ってはいけないことくらい理解しなさい、と言いたくなります。
TPOをわきまえないと関西ネイティブだって凄い不愉快になるんですよ、この言葉。関東のZ世代には「よく分からんが面白い」とウケているのかもしれませんが、多用していると人間としての信頼度も下がりますし、薄っぺらい人間なんだなと思われてしまうリスクを抱えることになります。それでも構わないならご自由にどうぞ、という感じ。
私も幼い頃、言葉遣いが非常に粗悪な子供でした。クラスにそういうことを言う子供も多かったですし、男子にからかわれたくないという負けん気がそうさせた部分もありました。「知らんけど」より酷い暴言です。
「もっと女の子らしい言葉を使いなさい」
と注意されたことが余計に腹立たしく、なかなか直すことが出来ませんでした(男だったら許されるのおかしくない?と思っていた)。
でもやっぱり今から振り返ると、言葉は人格を作っていくなと思います。言葉が全てではないのだけど、乱暴な言葉で思考が埋まっていると行動も乱暴になりますしね。
だから薄っぺらい言葉ばかり使っていると本当に薄っぺらい人間になってしまいますよ。そうはなって欲しくないじゃないですか。
同人レベルのしがない小説家ですけれども、言葉を扱う者として、関西出身の者として、聞いて欲しいなと思い書きました。
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