見出し画像

AWSのサービス名で学ぶ英単語13選!!

この度「AWSを好きになる本 ゼロから始めるクラウドジャーニー」というAmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)についての本を出版させていただくこととなりました。

出版を記念して、本の予約を開始した3/19(金)から発売開始の3/26(金)まで毎日記事を書く「出版アドベントカレンダー」という企画を行っています。

2記事目となる今回の記事では、200個近くもあるAWSのサービス名で利用されている英単語の解説を行っていきます。AWSを知らない・そんなに詳しくないという方でも分かるように解説を行っていくので楽しんでもらえたら嬉しいです。

ということで、それではさっそく見ていきましょう!

※書籍については紹介ページを作ったのでよかったら覗いてみてください。

1. Elastic:弾力性のある、伸縮自在の、

これはAWSを代表する仮想サーバーサービスの「EC2(Elastic Compute Cloud)」を始めとして負荷分散サービスの「Elastic Load Balancing」、コンテナサービスの「Elastic Container Service」など多くのサービス名に利用されている単語です。

意味としては「弾力性のある」「伸縮自在の」といった意味があり、サーバーであればアクセス量や時間帯によって自由にサーバーの台数を増減させられる様子を表しています。

僕は学生時代に結構英語の勉強をしましたが、AWSの勉強をするまでは "elastic" という単語は聞いたことがなかったです。

2. Glacier:氷河

監査用に保管をしておくシステムのログなど、何年も保存しているもののほとんどアクセスされないデータのことを「コールドデータ」と呼んだりします。Glacierはこの「コールドデータを氷漬けにして長期間保管しておく」ためのストレージサービスとして用いられています。

氷河とは極地や高山の万年雪が流れ出したもののことを言いますが、気の遠くなるほどの超長期間データを保存しておいてくれそうな名前です。

3. Trail:(人や物が移動してできた)跡、痕跡

これは「CloudTrail」というアカウントの利用履歴を保管するサービスに出てくる単語ですが、まさにクラウドサービスを使うユーザーが残した「痕跡」といった意味ですね。

この "trail" という単語には「跡」「痕跡」といった名詞系のほかに「跡をたどる」といった動詞形の意味もありますが、こちらの意味の方がよりしっくりくるかもしれません。

個人的には、コナン君が虫眼鏡を片手に犯人の残した足跡をたどるようなイメージを持っています(笑)

4. Config:設定

これもIT業界に入るまで聞いたことのなかった英単語の1つですが「設定」を意味する言葉です。"config"(コンフィグ)と言ったり "configuration"(コンフィギュレーション)と言ったりもします。

IT用語では、コンピューターやサーバー・ネットワーク機器といったハードウェアの設定と、OSやアプリケーションなどのソフトウェアなどの設定両方にする言葉です。IT業界でかつ英語でやり取りをするときに結構な頻度で登場します。

似た意味の言葉でネットワークやコンピューターの設備などのリソースを提供できるよう準備しておく "provisioning"(プロビジョニング)といった言葉もありますが、"pro-"(前もって)"vision"(見ておく/予測しておく)"-ing" (~こと)というように設定よりもやや広めの意味の言葉でこちらもよく利用されるものです。

5. Guru:教師、リーダー、権威者、第一人者

こちらは「CodeGuru」というプログラムのチェックやレビューを自動で行ってくれるサービスに登場する単語です。コードに精通した人物がチェックを行うといった意味で「教師」や「第一人者」を表す "guru" という単語が使われているのだと想像しました。

6. Glue:糊(のり)、接着剤

こちらは「CodeGlue」というデータの抽出・連携・加工を行うサービスの名前として利用されています。特にこのデータの連携の部分で、複数のサービス間に入ってお互いを糊のようにくっつけて利用できるといった意味でこの "glue" という単語が利用されているものと思われます。

こちらの "glue"(グルー)は先ほどの "guru"(グール)と非常に紛らわしい単語なので混同しないように注意してください。

7. Incognito:匿名の

AWSにはユーザーのサインアップ(初回登録)やサインインを簡単に行うための「Cognito」というサービスがありますが、これは「匿名の」という意味の "Incognito" という単語から造った造語です。

接頭語の "in-" には否定の意味があるので、"incognito"(匿名の)から "-in" を取ると "cognito"(匿名ではない≒知られている≒パブリックな)といった意味になると解釈できます。

「Cognito」を利用するとTwitterやFacebookといったサービスの一般公開されている機能使ってサインインをすることができることを踏まえると、そういったサービスの特徴をよく表していることが分かります。

8. Beanstalk:豆の木

”Beanstalk” は「豆の木」と言う意味です。また、豆の木は豆の木でも「ジャックと豆の木」の話に出てくるような一晩で空まで成長する豆の木を指すこともあります。

AWSの「Elastic Beanstalk」は、ジャックと豆の木で豆を植えてかららすぐ大きな木が育つように、開発に必要な環境を即座に揃えてくれるサービスです。

最初このサービスを知ったときは、頭の中で「bean's talk(豆の話)」と理解してしまって「なんのこっちゃ」と思ったのを覚えています(笑)

9. sail:航海

"sail"(航海)は割と馴染のある単語でしょうか。AWSでは「Ligjtsail」というより簡単に仮想サーバーを利用できるサービスがありますが、これは「夜明け前の月明かりの中での出航」をイメージして名付けられたと聞いたことがあります。

昼と比べて困難な暗い海での出航を明るく照らす≒安心して使い始めることのできるサービスといったところでしょうか。

10. firehose:消火栓

"firehose" は訳すと消火栓とそのままの意味ですが、これは「Drink from a firehose」という慣用句と合わせて理解するとイメージが付きやすいです。

これは直訳すると「消防用のホースから水を飲む」となりますが、とても飲みきれるものではありませんよね。AWSではこの消火栓から勢いよく飛び出してくるほどの大量のストリーミングデータを処理するサービスとして「Kinesis Data Firehose」があります

ちなみにMITの1年目の学生はとてつもなく広範で処理しきれないほどの基礎科目の履修が課せられるそうですが、これは「drinking from firehose」として広く知られるMITの1つの文化・伝統になっているようです。

11. amplify:増大させる

通常は楽器の演奏でアンプを利用してより大きな音を出せるようにするのが身近なところでこの単語を耳にする例かもしれません。

それではAWSの「Amplify」というサービスが何を増大させるのかというとこれは「エンジニア・デベロッパーの可能性」だとAWSのとあるカンファレンスで説明されていました。

12. Sage:賢者

こちらは「Sage Maker」というサービスに利用されている単語です。

賢者を作り出す「賢者メーカー」というとちょっとパワーワード感がありますが、AIモデルの生成というサービスの機能を考えるとまさに賢者(賢いモノ)を生み出しているといって間違いないことが分かります。

13. Ledger:台帳

これは「Quantum Ledger Database」という台帳式量子データベースの名前で利用されている単語です。

量子データベースということで最先端すぎてなんのことだかよく分かりませんが(笑)、"ledger" という単語から「台帳」を発想することができるとそれだけでもどんな種類のデータベースなのかイメージすることができると思います。

番外編

ギリシャ神話で技術・学芸や戦いなどをつかさどる女神アテナ(Athena)ローマ神話の海の神ネプチューン(Neptune)、メソポタミア文明を築いたシュメール人(Sumerian)などもサービス名に利用されています。

この辺は英単語というよりは世界史に出てくる単語みたいですね。

終わりに

Amazonの本社はシアトルにあるように、AWSのサービスも欧米文化圏の人を中心に開発されたものだと思いますが、サービスの名前だけでも掘り下げてみると結構面白いなと感じます。

やっぱ元の単語の意味を知らないと音だけで捉えてしまいますが、同じ名前を見ただけでも西洋の人はより解像度の高いイメージを持てているのかなあとか想像しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?