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【全職業共通】AWSのガイドラインに学ぶ良い質問をするための5つのポイント

この度「AWSを好きになる本 ゼロから始めるクラウドジャーニー」というAmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)についての本を出版させていただくこととなりました。

出版を記念して、本の予約受付開始の3/19(金)から発売開始の3/26(金)まで毎日記事を書く「出版アドベントカレンダー」という企画を行っています。

4記事目となる今回の記事では、AWSの「技術的な問い合わせに関するガイドライン」の内容を元に問題解決のために有効な質問の仕方をご紹介します。

良い質問の仕方というのは業種限らず重要なスキルだと思うので、今回の記事ではITエンジニアに限らない普遍的な形で内容をまとめたいと思います。

※書籍については紹介ページを作ったのでよかったら覗いてみてください。

AWSの「技術的な問い合わせに関するガイドライン」とは

AWSでは、ユーザーがサポートへ問い合わせを行う場合に押さえるべきポイントをガイドラインとして公開しています。

注目すべきは「効率的」かつ「迅速」に課題を解決するにはどのようなことに気を付けたらいいのかという点です。

誰かに質問をするということは相手の時間を割いてもらうことになるので、1往復でスパッと回答をもらえるような質問をするのが理想ですね。

ポイント①:緊急度を具体的に伝える

・適切な緊急度の設定は問題の円滑な解決にとって重要です。
・件名や本文に「緊急」等と記載されても、緊急度は上がりません。

質問をするときは、回答してもらうのは時間があるときでいいのか、それとも今やっている作業を止めてでも確認してもらう必要があるのかといった緊急度を伝えることが重要です。

緊急度とは言い換えれば「いつまでに返答が欲しいのか」ということですね。

「なるはやで」「至急確認お願いします」などと言うだけでは、30分後の会議までに確認が必要なのか、その日の業務終了時刻までに確認が必要なのかは伝わりません。

ポイント②:解決したい課題を明確にする

・ご質問内容が省略されている場合、内容の確認にお時間を必要としますので、省略せずにご記載をお願いいたします。
・「最終的に実現したいこと」に近づくための別の方法をご案内することがあります。

これは当たり前のようにも思えますが、慌てていると意外と説明を省略してしまったり、状況を整理できていないまま質問してしまうことがあります。

ポイントとしては「事実」と「解釈」を混同しないように注意して、まずは「事実」だけに絞って何があったのかを具体的に説明するといいでしょう。

また、「最終的に実現したいこと」を併せて伝えることで、最も効果的な方法を教えてもらいやすくなります。

※逆に質問を受けるときにはただ質問に答えるのではなく、質問の目的(最終的に実現したいこと)を確認してもっと効率のよい方法があればそれを教えてあげられるといいですね。

ポイント③:状況を正確に共有する

・ログ類や画面キャプチャの共有をご検討ください
・初期の起票段階でログ類やキャプチャを添付いただくことで、サポートエンジニアから共有をお願いする連絡が不要となり、その分、解決までの時間が短くなる可能性があります

口頭やメッセージの内容だけでは伝わらない情報というのはたくさんあります。

言葉だけで伝えようとすると必要以上に冗長になったり空中戦となってしまって要点が分かりにくくなってしまう場合でも、ログやキャプチャなどを共有することで客観的な事実を端的に伝えることができます。

ポイント④:経緯を共有する

・事象を再現する手順の共有をお願いいたします
・すでに試した対応策があればご教示ください

問題を解決するために実施済みの対応策があればそれも併せて共有することが大切です。

質問を受ける側がすでに実施している対応を回答してしまうことを防げますし、その情報がヒントになってより速やかな問題解決を行うことにもつながります。

ポイント⑤:問題が解決した時は忘れずに報告を

・サポートエンジニアからの回答を得て、お客様の課題が解決した場合、サポートケースをそのままにされることなく、解決した旨をケースにご記載いただき、クローズいただくようお願いいたします。

質問の回答を実践して問題を解決することができたら忘れずに問題が解決できたことを報告しましょう。

また、質問をしてから回答を待っている間に自分で問題を自己解決できてしまう場合も意外と少なくありません。そうした場合、質問した人への報告を忘れてしまうと心象があまりよくありませんのですぐに報告することが大切です。

終わりに

こうしたポイントは分かっているようでも、いざ自分が質問をする立場になると要点を押さえた質問をするというのは意外と難しかったりするものです。

質問スキルが上がっても、直面する問題のレベルも上がっていることで、なかなか良い質問の仕方ができないということもあると思います。

そういう時こそこうしたガイドラインを活用することが質問のポイントを整理するのに役立つのではないでしょうか。

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