スピッツの知られざる魅力
私は、スピッツが大好きだ。
スピッツは、日本のアーティストの中でもかなり過小評価されていると感じる。
え?十分評価されてるって?
まだまだ。スピッツの持つ底知れぬ魅力はそんなものではない。
一般に知れ渡っているスピッツの魅力はあくまで表面的なものに過ぎない。
今回はそんなスピッツの魅力を語っていきたい。
この記事を読んで、皆さんを"スピッツ沼"に連れ込むことが、この瞬間の私の最大の指名だ。
スピッツの魅力その1「歌唱力」
皆さんはスピッツのボーカル、草野マサムネの歌唱をどう評価しているだろうか。
恐らく大半の人の印象は
「声質に特徴がある」
「清涼感がある」
といったもので、歌唱力について触れられる事はあまりないだろう。
なぜなら、私自身"スピッツファン"になる以前は、そういった印象を持っていたからだ。
けれど、実は草野マサムネの歌は非常に上手い。
ライブでは音程を全く外さない。
あの高音域が続く曲を何曲も、完璧なまでの安定感と清涼感で歌い続ける。
スピッツの歌唱力が過小評価(駄洒落ではない)されている一番の理由は、ズバリ
「歌い方が誠実で謙虚」
であるという事だ。
砕けた言い方をしてしまえば、
「俺、歌うまいだろ」
という"高慢さが陰に隠れた要素"が、全くと言って良いほど無いのだ。
普通バンドのボーカルを長年やっていると、歌い方を崩したり、癖の強い歌い方をしがちである。
きっとプライドやら飽きやらが理由にあると思う。
けれど草野マサムネには全くと言って良いほど"傲り"が見えない。
だからこそ、心地良いサウンドを三十年もの間世に送り出し続けられるのだ。
スピッツの魅力その2「リズム隊」
正直これが一番、世間に知れ渡っていないと感じる。
リズム隊とは一般に、ベースとドラムの事を指す。
これはスピッツに限った事ではないが、リズム隊は正直地味なイメージを持たれがちだ。
ギターやボーカルに比べると、どうしても目立つ場面が少ない。
けれど実は、バンドに於いてリズム隊は「要」であり、「土台」である。
リズム隊は曲から受ける印象を大きく左右する。正に"縁の下の力持ち"だ。
そしてスピッツのリズム隊のレベルは、非常に高い。
その正確さは、他の追随を許さない。
特にドラムの崎山さん(私が尊敬しているドラマーの一人)のドラムテクは、はっきり言って神憑っている。
実は難易度の高いスピッツのドラムパートを、難なく叩きこなす。(崎山さんがドラムだから難易度が高い説もある)
これに関してはここでうだうだ語るよりも、生で聴いて貰った方がずっと効果があるはずだ。
少しでも興味を持った方には是非、ライブに行ってみる事をオススメしたい。ライブに行った暁にはベースの田村さんの暴走も必見だ。
スピッツの魅力その3「歌詞」
スピッツの歌詞についてはよく語られるし、あまり知らない方でも直ぐに歌詞の独特さには気づくはずだ。
なので今回は敢えてあまり取り上げられない曲の歌詞を、少しだけ考察したい。(あの歌詞の細かい考察を記すには、この余白は狭すぎる)
まず、私の好きな「スピカ」という曲だ。
この曲はメロディーも勿論好きだが、歌詞が秀逸だ。
「言葉よりふれあい求めて突き進む君へ」
これは世間でよく語られる「人の温かみは大切」的なメッセージへのアンチテーゼともとれるだろう。
この歌詞のような考えを草野マサムネが持っているという事は、スピッツの曲を聴いていれば自ずと解る。
「幸せは途切れながらも続くのです」
この"ですます調"がたまらない。
"途切れながら続く"という表現は馴染みがない。
"途切れる"というどちらかと言えばネガティブなニュアンス、その後に"続く"というポジティブなニュアンス。
この微妙なニュアンスの差と詞の順番が、この歌詞に心地良い希望を抱かせる要素を持たせている。
「ふり向けば 優しさに飢えた優しげな時代で」
こんな歌詞、どんな人生を送れば浮かんでくるのだろうか。
現代を強烈に、しかし文字通り"優しげに"風刺している。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は出来るだけ、一般に知れ渡っていないと自分が思う魅力を綴っていった。
これを機に、一人でも多くのスピッツファンが増えれば、ファン冥利に尽きるといったものだ。
(敬称略)
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