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ラジオの想像力

ラジオを聞くようになった。 もともと聞く習慣はなかったのだけど、最近は作業のおともになにかしらの番組を流している。 いつからラジオを聞きだしたかというと明確な聞き始めがあって、一昨年の秋、卒業設計が佳境に入り出したころと重なっている。本来卒業設計の作業は学校でするのだが、コロナ禍のなかで自宅でせざるをえなかった。そこで、作業のBGMとしてはじめはウォークマンで音楽を聴いていた。歌ばかり聴いていて耳が少し疲れたときに、ふとしたきっかけでrajikoを聞いてみた。何の番組を聞い

    • 誰よりも早く動きたい

      速さへのあこがれ最近読んだ本に、東海道新幹線を作るときに国民の超特急へのあこがれが原動力となった、と書いてあった。外国に対して速度でマウントをとりたいという国民みんなの思いが後押しして、新幹線建設の大事業が実現したという。 戦後の民族性がどうとか、ナショナリズムがどうとかは置いといて、スピードが誰にでも共有できる魅力であったということは間違いない。 身近な速度でいうと、小学校で足が速いとモテる、というのはそれと同じことだろう。あれ、なんでなんだろう。いま、歩くのが速い人が

      • 三歩進んで二歩下がろう

        高1の冬、はじめての一人旅をした。きちんと計画を立ててはいたが、アクシデントに見舞われ、文字通り、進んでは戻りの繰り返しであった。今から考えると、この出来事が逆にそれからの旅行のハードルを下げてくれたような気もする。新潟の村上を羽越本線にひとり揺られているところから話を進めよう。 午前中降っていた雪はやんで、薄暗くなってきた日本海側を汽車は走っている。いわゆる国鉄色の車両であったが、これが貴重なものなのかどうかすら、半端な鉄道好きの自分にはわからない。 ふかふかのシートに

        • 東京は遠いところ

          茨城から上京して3年がたった。何となくの土地勘もついてきたし、こんな都会なところがあるのかと感激することも少なくなった。3年間のうちに東京は大きく変わってしまったのだ。いや、東京自体が変わったのではなく、東京というものが自分の中で果たす役割が違ってきているのかもしれない。 田舎者から見た、「東京」論を話していく。 小さな目から見た東京 小さいころから、年に数回は東京に行く機会があった。おじいちゃんおばあちゃんが埼玉と千葉に住んでいたので、GWやお盆には帰省していた。ここでま

        ラジオの想像力

          何でもない夜の路線バス

          遠出ができない近頃なので、逆にネットで旅先を探してしまう。 ただ、どんなサイトも、どんな観光地でも絶賛の嵐である。定番の観光地を訪れて、楽しかった!という文ならネット上にあふれているけど、それには少し飽きたからあまり参考にならない紀行文にしてみようと思う…。全く期待していない瞬間にこそ旅の醍醐味があるんじゃないかという、そんな文です。 『初夏、新千歳行きの飛行機に乗って離陸を待つ。何日かの北海道への旅の、初めの2日間は単独行である。はじめて飛行機に一人で乗ることもあり、つい

          何でもない夜の路線バス

          校庭に地上絵を見た

          グーグルマップは航空写真で見る派である。ぱっと見の色味でどんな街かわかるのでお勧めします、異論は認める。 とにかく写真で地図を見ていた時に、学校の校庭に目が行った。 典型的な学校の校庭である。中央に200mトラックがあり、運動会の用意だろうか、レーンがいくつか設けられている。もちろんこれらは白線を引くやつ(ラインカーというらしい)を使った先生の力作である。 トラックのほかに、西側に少し歪んでいるがボール投げの測定のための線があり、東側にはドッジボールかバスケに使うのか、か

          校庭に地上絵を見た