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心臓から花が咲くように、変形菌と旅をする
僕は山形の月山をとぼとぼ歩きながら
心臓から花が咲くような旅をしていた
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変形菌とは不思議な子たちで「菌」と名前がついていますが、菌類の仲間ではありません。
そもそも人間がこの名前をつけたので、菌類と勘違いされる事に関して、この子たちに何の罪もありません(笑)
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高さ1mm-5mm
18世紀には菌類とともに「植物」に分類され、
19世紀には植物界でも動物界でもない「原生生物界」に、20世紀半ばになると「菌界」になりました。
しかし近年になって遺伝子の系統解析から「アメーバ動物Amoebozoa」というグループに所属することになりました。
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つまり、よく分かりません(笑)
「枠にどうしてもあてはめさせてください人間」と「そんな野暮な事せずに、私の事ちゃんと観なさい変形菌」の格闘の歴史があるようです。
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変形菌は人間でいう生きている間(変形体)は、べちょっとしたアメーバのような形で生活しています。
ほとんどの場合、僕たちがこの状態を見ても一体この子が何者なのか分かることはありません。
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しかし、光の刺激や餌の不足により人間でいう死ぬ時(子実体)には背をムクムクっと伸ばしてきて、全く違う姿に変形していきます。
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「あなたはムラサキホコリだったのか!」
やっと、ここで僕たちはこの子が何者だったのか分かります。
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死んでから、やっと他人に何者か理解してもらえる。
少し寂しい気持ちはありますが、僕は誰にでも全てを理解されるような人生に何の面白みも感じていません。
「分かりやすさだけが美しさではない、綺麗なだけでは価値はない」
若輩者ながら変形菌を観ていると、そんな事をよく考さられるのです。
そんな人間性を大事にして生きていこう!!
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ここだけで滞在時間20分
口から音が出るように
心臓から花が咲くように
僕は変形菌と旅をしている
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