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川口ちゃんの衣装計画#76 自問自答ファッションとインテリア

※今回ファッションの話全然してないです。

衝動的に本棚を片付けたら衝撃の事実が発覚した

生理前は毎月落ち込みがちになる。
ホルモン的なものだと自覚できているし、コントロールもできる程度の揺らぎだが、どうせ私なんて…というテンションになる。

ここ最近はファッションよりインテリアのことをたくさん考えていて、部屋にぴったりの素敵なラグを求めて楽天市場を検索したり、気になるアイテムを見にIKEAに行ったり、不用品を売ったり粗大ごみに出したりしていた。その流れで家具の配置を変えてみようと思い、すぐ動かせるように本棚の本を一回全て出して床に積み上げて置いていたのだが、それがいけなかった。

私の今月の憂鬱は、「ここにある読んでない本を全部売りたい」という衝動となって現れた。

本棚の未読本なんて数日前まで全く気にならなかったのに、ホルモンバランスというのはおそろしいものである。しかもせいぜい20冊くらいだというのに。

一時的な感情かもしれないが、私はまだ読んでいない本の存在に苦痛を感じてどうしようもなくなってしまった。今後読まなきゃいけない本がこんなに沢山あるなんて。どれも読みたくて買った(しかも自分の大切なお給料を使って)はずなのに、今は大量の難解な課題の山に見える。

もう遅い時間だったが、私は早速その本の山の前に正座して、手元に残す本と手放す本とに分け始めた。

売る本用のダンボールに容赦なく本を詰めていたら、夫に「読まなくても持っていればいいじゃん。」と言われてしまった。

たしかにそれも一理ある。なにも手放す必要はない。興味を失ったならまだしも、読めるなら読みたいんだから。

夫は本をたくさん買うので、彼の自室は本だらけだ。読んでいない本も少なくとも私の10倍はあるだろう。でも本人全然平気。なぜなら読みたいときにすぐ読める状況が夫にとっての快適なのである。だからこそ私の行動を見て考え直すように声をかけてきたのだ。生理前特有の行動だということをわかってくれているからというのも大いにあるが。

しかし、夫と私は違う。夫は読書家で常に何か読んでいる。一方で私は買ったら満足して終わりだ。私の苦痛の原因はそこにあるのだ。

余裕がある時に買えば良いのに、興味を持つとすぐそれについて書かれた本を探して買ってしまう。でもその日に読む時間や体力が無くて放置してしまう。そういう本があるのにまた次に興味を持ったテーマで同じことをしてしまい、未読の本はどんどん溜まっていく。

それらは時間の経過とともに、「面白そうな本たち」から「興味を持ったら熟考せずに衝動的に買い、結局読まない、私の恥の象徴」に変わっていく。今この部屋にある、恥の象徴と、こんなに本が揃っているのに無知のままの私。

その事実と向き合いたくなかった。
全部売ってしまって、なかったことにしたかった。

当然無かったことになんてならないんだけど、衝動のままにせっせとメルカリに出品してリセットしてしまった。

実はこの【本を買っても読まない→忘れたくて一気に手放す】という行為は初めてじゃない。何度も繰り返している。その度に、私は誰にも迷惑をかけない程度に病的だなと思う。

根本的な原因を解決しないと、間違いなく忘れた頃にまた本を買い始め同じことをやらかす。でも私は今回こそ最後にしたいと本気で思っている。不健康だし不経済だし、何より夫に呆れられたくないから。

今まで一人暮らしだったので、この愚行の繰り返しは黙っていれば無かったことにできていたけど、今は何か変わった動きをしようものならばっちり夫に気づかれる。こんな情けない姿を大好きな夫に見られたくない。またやってるよ…と呆れられたくない(こんなことで呆れるような人ではないけど)。
だから私頑張る!!ちゃんと成長する!!そう決意したのだった。我ながらしょうもないプライド!!!!

ということで、私はなぜこんなことを繰り返しているのか考えた結果、以下の3つが原因だと思われる。


①予定ありの未来が嫌

これは薄々気づいてたんだけど、私はやらなきゃいけないことがあると、それが好きなことでも苦痛になるタイプらしい。生理前でメンタルが不安定になるとそれが強まるみたい。日課もあるしやりたいこともたくさんあるのに、今の本の量では読書の比率が大きすぎた。予定は外出や約束だけじゃない、物でも作ってしまってるんですね。この性格をもっと自覚して、買う前に思い出したいところ。

②自分で思ってるより読書が苦手

私、今までずっと自分のこと読書好きと思っていたけど、実は活字が苦手な人なのかもしれないと気づいた。目から鱗、衝撃の事実。

実際、いくら興味のある内容の本でも難しい本は軒並み読んでいないのである。新書よりも実用書みたいな文が少なくて要点太字みたいな内容の本ばかり読んでいる。

そもそも文章だけで景観を想像するのが苦手なので小説は滅多に読まない。それっていわゆる読書好きじゃないよなと思った。「読書が苦手な私でもスラスラ読めました!」って言う側の人間なんだな私。

これに気づいたのはあきやさん×アキュートアクセントさんのインスタライブを見たからかも。デザイナーさんが本が苦手と仰っていたのが頭に残ってたんだと思う。私、あのインスタライブで本が苦手だとか手の甲のえくぼだとか、アクセサリー以外の気づきめっちゃ得てるな。

ということで今後、本を買う時はちゃんと立ち読みして、私でも読めるなってなったら買うことにする。自分は難しい本は読めないんだぞって自覚するだけでも、また本だらけになってしまうのは防げる気がする。

③本棚=自己紹介だと思っている

本棚を見るとその人の頭の中がわかるってよく聞くから、私も心のどこかで本棚を自分の分身の様に考えていた。私はこんな人ですよっていう自己主張の場というか。でも、当たり前だけど本棚は本棚で、私は私なんだよね。SDGsも政治も社会問題も、興味があることは本棚で表明せず、私自身が言葉で表明すれば良い。オシャレなレシピに興味があるなら、そういう料理を日頃から作れば良い。そもそも本棚なんて滅多に他人に見せないのに、誰に向けてアピールしてたんだろう。


オシャレな部屋は自問自答されていることに気づいたら衝撃の事実が発覚した


本棚をすっきりさせたことで、もうひとつ大事なことに気づけた。

冒頭でも述べたが、最近インテリアのことばかり考えている。最近は特にそうってだけで、私は子供の頃からインテリアが大好きだ。お部屋づくりって、なんて甘美な響きなんでしょう。しかし残念ながら私に飛びぬけたセンスは無くて、今日まで常にインテリア迷子。

この世界に自分の部屋があること自体がもう大変ありがたい話なんですけど、贅沢な私はオシャレな部屋に住みたい願望がある。

しかしそもそも部屋自体がオシャレじゃない。よくある白い壁と茶色い床。普通の窓。普通の景色。

グッドルームや東京R不動産に載ってるようなリノベ済みで毎月の家賃10万円超えの部屋を借りるなんて私には無理だから、ごく普通のこの部屋をどうにか素敵にしたくて、虚構の世界だと知りつつもインスタグラムでオシャレな部屋のアカウントをフォローして、その人の楽天ROOMを隅々まで見て、気になるもの全部買おうとすると100万円あっても足りないから、そこまで高くない雑貨を真似して買ってみる。しかし小物一つ程度で空間の雰囲気が整うわけもなく、むしろ部屋に馴染まず、結果的にストレスの原因になる。そこからの、そうやって中途半端に物を買っても後悔するだけだからいっそミニマリストになるぞ!という安易な発想で、ほんのり罪悪感に苛まれながらせっかく買ったインテリアを処分して、一時的にはスッキリするも、オシャレな部屋へのあこがれはまだくすぶり続けていて、そのせいでいつの間にかまた物が集まってしまい、振り出しに戻る。というのを繰り返してきた。

まさに本でやってることと同じことをインテリアでもやらかしている。まじで愚か者。ほんとに。思慮が浅すぎる。びゃーん。

愚行を繰り返すたびに心もお金もすり減っていく。あーあ、また失敗しちゃった。元々オシャレな家や部屋に住んでる人は、それをSNSにあげて、フォロワーがたくさんついて、媒体から取材が来てもっと有名になって、ブログや楽天roomに人気が出てお金が入り、そのお金でミースファンデルローエの家具とか買えて、より部屋が素敵になるんでしょうね、いいなあという我ながらクソみたいな嫉妬をしはじめる。

いやいや私だって最初からしっかり吟味していれば、こんなに無駄遣いすることもなく、多少狭くても素敵な間取りの部屋に住んで、名作家具のひとつくらい買えたんだろうね。

…と、ここまで考えた時に、瞬間的に、私はもし自由に使えるお金が50万円くらいあったとしても名作家具は買わないぞ、と思ったのだった。

大変ぼんやりと憧れているだけで、私は名作家具のことを全然知らない。それこそインスタに出てきて素敵だなと思って調べたものしか知らない。それらだってプロダクトの歴史とかデザイナーの想いとかまでは興味が持てない。バウハウスの歴史とかよく通販サイトに載ってるけどすぐスクロールしちゃう。

でもそれを買ってる人たちはさ、家具にすごく興味関心があって、いろんなブランドをリサーチして、これだっていう品物を見つけて、50万円払ってでも欲しい、いつか買うぞ、これが似合う部屋を創るぞ!!という情熱的な時期を経て自分の部屋に迎えているわけじゃないですか。

間取りだってそう。私みたいに数軒だけ内見して「こんなもんか」で決めてるのではなく、こんな部屋に住みたいっていう明確なイメージが頭のなかにあって、それに当てはまる部屋を、予算と摺り合わせながら諦めずにねばってねばってサイトチェックして内見しまくってやっと契約してるんだよね。そりゃ魅力的だよね。

そしてこの流れ、自問自答ファッション講座でいうところの妄想クローゼット、試着、からのブランドバッグ清水ダイブですよね。
わー、やっぱインテリアに応用できるんだな。

このステップを踏まずに素敵な部屋作ろうとしてもそりゃブレますわ。

で、それを踏まえてなんですが、私は実はインテリアに興味がない人間なのかもしれない!!

衝撃の事実2個目。「もし自由に使えるお金が50万円くらいあったとしても、名作家具は買わないぞ」「プロダクトの歴史とかデザイナーの想いとかまでは興味が持てない。バウハウスの歴史とかよく通販サイトに載ってるけどすぐスクロールしちゃう。」が私の本音なのだ(そう考えると私、ファッションはかなり好きなんですね)。

インテリアの最高峰に心を動かされないんだから、こだわってもおそらく全部中途半端で終わる。美学みたいなのが無いから。

だから私はもう割り切って、自分が心地よく過ごせる【快適さに全振りの部屋づくり】をしようと思った。もともと小さな浄土をテーマに癒されるお部屋を作る計画を進めてたけど、変に小細工せずに人間工学的に最高の部屋を作ろうと決めた。


今の気分にぴったりな本に出会った


アマゾンを見てたらミニマリストの筆子さんという方が書かれた「本当に心地いい部屋 ものが少ないからくつろげる、満たされるから帰りたくなる」という本に遭遇した。

もうタイトルからして今の私のための本じゃん!!と思ったけど、説明文を読んで自分のことすぎて電子書籍で買って速攻で読んだ(買うべき本ってこういうのだよね)。以下、Amazonの説明文の引用です。

あなたは、「素敵な暮らし」に憧れて、こんなことをしていませんか? 
・「片付けてシンプルに暮らしたい!」と思って、100円ショップで収納ケースを買いに走る→「まずは買い物!」と思っている 
・「すき間収納をしなくちゃ!」と思って、ベッド下や棚の間に余白に物を詰め込んでいる→掃除しにくく息苦しさがある 
・「好きな物に囲まれる生活に憧れる」と、次々物を増やして飾っている→視界の邪魔になり、スッキリした空間にならない 
・結婚式の引き出物や、奮発して昔に買ったお土産を、飾ったままにしている→意味のない置き物は形や色の氾濫になる 
「おしゃれ」「かわいい」より、本当に大事なのは「ほっとすること」。毎朝目覚めるのが楽しい、家事や仕事に集中できる、夜は心から落ち着ける……そんな部屋にしてみませんか? この本では、ミニマリストでカナダ在住の人気ブロガーが、「一番いたくなる場所」の作り方を教えます!

↑私が求めてることすぎるのよ。(※特に惹かれた部分を私が勝手に太字にした)

面白くて読みやすくて、往復の通勤時間で全部読めてしまった。特にPART1と2が良かった。私が頭の中でぼんやりとこうすべきじゃないかな〜と思っていたことが明瞭に言葉になっていて、うんうんわかるわかる、やっぱりそうだよね〜!と背中を押してもらえるような内容だった。

インスタ映えな部屋は非現実だから参考にしても仕方ない的なことも書いてあって、そうっすよねすんませんとも思った。(でも、仮に写真の中だけの虚構だとしても、あんなに素敵な部屋を作っちゃうなんて、やっぱりあの人たちのインテリアへの愛はものすごいんだろうな、とも思った。)


しかし正直、ひっかかる部分も何箇所かあった。
まず、著者の夫婦関係がちょっとギスギスしているのが読んでいてなんとも悲しい気持ちになった。旦那さんdisもちょいちょいあるし。まあ実際は普通に仲良し夫婦なのかもしれないけど。

あと、

"実家や人の家でテレビを見ると、ものすごくうるさく感じるので、人目を忍んで思いっきりボリュームを下げます。"

この一文も気になった。なぜ人目を忍ぶんだろう。私だったら家主に「テレビの音が苦手だからボリューム下げても良い?」って聞いてから行動に移すかな。

"ぶーんと風を出している扇風機を、こっそり一番弱い風に直すことがよくあります。すると、ほかの人が気づいて、「あれっ、微風になってる」と言いながら、また強い風に戻します。"

ここも、読んでいて「そりゃそうでしょ!」と思った。冷房でも音量でも、その場を共有している人たちに声をかけないで自分の好みに合わせて調整してしまうと、お互いにストレスが溜まるだけだと思う。

私はこういう細かいところが気になってしまうので、佐藤友美さんのヘアケアの本みたいに全力でおすすめです!!とは言えないけど、オシャレな部屋にしたいのに失敗しまくって疲れてる人は読んでみる価値、かなりあると思います。くつろぎに徹するのか、やっぱりいつかは名作家具で清水ダイブなインテリア愛溢れる人間なのか、自分の気持ちを確認できるかも。



読書しかりインテリアしかり、疑いもせず好きだと思っている物事に対して、時間とお金をかけるほど本当に愛せるの?って自問自答することが大事だね。今回は衣装計画の一つとして記事を書いたけど、ファッションの話ほぼしてないし、さらにはめっちゃ長くなってしまったのに、最後まで付き合って下さった方、ありがとうございました!

信じないことが信条🍤