瀬黒のボヤキズム

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『東のエデン』が憂いた、若者を軽視する社会の行末

 神山健治作『東のエデン』というアニメ作品をみなさんはご存知だろうか?  『東のエデン』は2009年にノイタミナ枠で放映された、Production I.G制作のオリジナルアニメ作品である。  ストーリーは概ね下記の通りだ。  ある日、記憶喪失の青年が目を覚ますと、手に持っていたのは82億円の電子マネーがチャージされた謎の携帯電話であった。  その携帯電話はノブレス携帯と呼ばれる代物であり、当初100億円がチャージされた状態で13人のセレソンと呼ばれる人間に配布されたもので

    • 異世界転生しないと自己実現ができないほど、現代人は弱くなったのか

       異世界転生の物語は割と古くから人気のあるジャンルだが、昨今の人気は凄まじい。  所属コミュニティから追放されたと主人公が、別の世界のコミュニティで才能を発揮し幸せに暮らす…これが王道の物語だ。  この創作の消費者はメインは自分のような30〜40代の世代であろう。  この世代は社会人経験を通して浮世の辛さを熟知しているが故、このような甘い空想に目がない。  夢まっしぐらで怖いものなしだった20代。  しかしこの「怖いものなし」というのは、社会に出て実際に「怖いもの」に、触れ

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