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イギリスとオーストラリアの貿易協定はBrexitを正当化するものなのか?【Internet Bull Report】

オーストラリアとイギリスの両首相は、2国間の自由貿易協定を締結したと発表した。これはイギリスがEU離脱して以来初の主要貿易協定である。


オーストラリアの牛肉とワインの輸出業者からすると、これまで頼っていた中国に制限をかけられるようになっていたので今回の話は安堵するものである。しかし、イギリスでの反応はさまざまである。それは無理もないことだる。この協定でイギリスのGDPは0.025%増えるが、EU離脱による2.25%の損失を帳消しにするにはまだほど遠い。

もともと、イギリスのEU離脱運動の背景はそのEUの経済的制約から離れることでイギリス経済が改善できる可能性があるということであった。新型コロナウィルスはイギリス経済に強い影響を与えたものの、EU離脱で期待された並外れた経済的利益はこれまでなかったことは明らかである。

今回の協定は単にEU離脱を促進するものなのか?

まあ、これはどちらともいえる。イギリス政府はEU離脱を正当化させる必要があり、今回の協定は望んでいた通りの大成功では全くなかったもののこれでEU離脱は正解だと依然として信じるだろう。イギリスが今回の協定を誇示するのはこの協定がより大きいかつ有益な貿易協定への足掛かりになるとみているからである。今回の協定はイギリスが相互に有益な貿易協定を交渉することができることを示していて、イギリスはアメリカがこれに気づいてくれることを強く望んでいる。

また、この協定はイギリスが試みているCPTPP(アジア太平洋地域における経済連携協定)の参加に導いてくれるかもしれない。貿易相手のオーストラリアはすでにこのCPTPPの一員となっている。イギリスもCPTPPの一員となれば、世界経済のほぼ14%占める国々と好条件で貿易することができるようになるだろう。

今回の協定でオ-ストラリアが明らかな勝者となったのは間違いない。国の経済が13億ドル得られただけでなく、輸出者も待望の多様性を得られたのである。しかし、この協定でイギリスももっと有益な協定を得られるようになるので、イギリスのGDPへのごくわずかな利益も実を結ぶと示すことができる。

今回の協定はイギリスのEU離脱を正当化するものではないが、正しい方向への重要なステップであることは確かである。



【Internet Bull Report】
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URL; https://internetbullreport.com/

翻訳記事;”Does The UK-Australia Trade Deal Justify Brexit?

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