日記 2024.01.28(日)

オラファー・エリアソン展の図録を読んだ。麻布台ヒルズのオフィスロビーに吊り下げられている作品の意図を知ることができた。

複雑な螺旋を描いているオブジェは、双対称十一面体のモジュールが連なって形作られているとのこと。面は三角形、菱形、凧型(対角線が直角に交わる対称な四角形と思われる)で構成されている。奇数の多面体なので、複数の十一面体を同じ面と面で繋げていくと真っ直ぐにならず曲がっていく。同じ十一面体を連ね、最初の多面体へちょうど一巡したものがあの作品だということだ。初めて目にした時にエリアソンらしくない作品なのではと訝しんだが、手法を知るとやはり彼らしい作品だと思った。幾何学を紐解き結果として生まれた形。数学者との接点があの作品を生み出す起点になっているそうだ。麻布台ヒルズギャラリーの館長とエリアソン氏との対談で、この作品を生み出すプロセスを「研究」と呼んでいたのが興味深い。確かに、十一面体を繋げてぐるぐると何周も描いた上で一巡する形を見つけるのは、スタディというより研究と呼ぶのが相応しい気がする。
形にアーティストの恣意性が無いのがオラファー・エリアソンの作品の特徴だと思う。彼がスタジオを多人数の組織として運営できているのも、作風に起因している気がする。

素材にはフライアッシュの副産物として生じる亜鉛を用いているとのことで、オラファー・エリアソンらしい地球環境への意識を感じる。フライアッシュから亜鉛を分離するのは特殊な技術だそうで、それができる企業に協力を得たそうだ。
制作にあたって、3Dのモデルを確認するためにARグラスを着けて作業したらしい。確かに、あの形を2Dに出力された紙や画面で見ながら作り上げるのは難しいのかもしれない。

作品は2層吹抜けのロビーに吊り下げられていて、1階から見上げたり2階から真横の視点で見たりと異なる視点や距離で知覚されることに意味があるとされていた。スマホのカメラで撮影して拡大してみたら小さな多面体に気づく、ということもありそう。

それにしても「相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」というタイトルはとても分かりにくい。何度も繰り返し読み込んでも理解できない。図録を読んで、英語だと「A harmonious cycle of interconnected nows」なのだと知った。英語は苦手だが、こちらの方が分かりやすい。

リングフィットアドベンチャー、フィットボクシング、朝食、掃除、読書、洗濯を終えたら正午を過ぎていた。SpotifyでZAZEN BOYSを聴いていたらハードリカーを水道水で割って飲みたくなり、冷蔵庫にあるおつまみを出して飲んでしまう。Spotifyが自動生成するプレイリストが自分の趣味に寄り添っていくことに嬉しさと驚きを感じる。ZAZEN BOYSと清春とフィッシュマンズが同じプレイリストに入っていて、分かっているなと。

夕方に音楽のライブを観る予定で妻と一緒に外出。終わる頃には遅い時間になるので、会場近くの飲食店で食事。また行きたい良い店。料理も酒も店の雰囲気も好みだった。

ライブは台湾のバンド「Elephant Gym」。3ピースのマスロック。本当に、カッコよかった…。
変拍子や複雑なリズムには、十一面体が連なるアートと通ずるものがある。

駄文ですが何卒よろしくお願いします