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シャニマス復帰コミュ読み記1【LaLa! Bitter】編――コミカル描写からの綺麗な着地に感動した――

ネタバレ、コミュ内容のスクショがあるので未読の方はご注意ください。

1年近くシャニマスログイン勢を続けていた私ですが、シャニソンで動くアイドルたちを見たら急速にシャニマス熱が回復してきて、未読コミュに手を付け始めました。

そこで、どうせならシャニマス復帰の過程の一部をエンタメに昇華できないかなと思い、気になったコミュについて語る「復帰コミュ読み記」を残していくことにしました。続きを出す可能性があるので記事タイトルをナンバリングしていますが、いかんせん継続力のない三日坊主な性分ですから、実際に続くかどうかは微妙なラインではあるんですけど。

画像を結構多めに使ったので縦に長めに見えますが、文字数はそこそこくらいの軽い記事です。書く自分も、読む人も気軽に楽しめる記事になっているといいなと思います。

ということで、ささっと本題に入っていこうと思います。

コミュの感想

さて、今回読んだカードは【LaLa! Bitter】市川雛菜。コラボフェス産のサポートのSRです。イラストから円香の【カラカラカラ】を思い出し、取っつきやすかったのでこのカードを選びました。

1凸ですって奥さん。本当に最低限しかやってないのね~

コミュ全体の感想を端的に言うと、無駄なく美しすぎる構成に拍手喝采しあわせいっぱい

SRの2話構成の中にノクチルの4人の特徴が分かりやすく端的に描かれていて、非常に収まりが良いコミュでした。現時点で最新の雛菜サポートSRですが、シャニマス始めたての人に「ノクチルのおすすめコミュをいくつか教えて」と言われたら、とりあえずこのカードは回答に入れておく※。それくらいに完璧にまとまってましたね。

まあ、ショップの交換に追加されるのを待たなければならないのはかなり大きな問題だとは思いますけど……。

※ 入手しやすさも考えた上で、【かっとばし党の逆襲】浅倉透、【LaLa! Bitter】市川雛菜、【季節はアイスクリン】福丸小糸の3枚を勧めたいです。ここに掴みとして「財布ないわ」こと【283プロのヒナ】浅倉透を入れるかどうか。あと、小糸のカードは入手できているなら恒常SSR【思い出にもならない】も強くプッシュしたい。

もちろん天塵含むイベコミュは読んでもらいたいですが、イベントはどうしても重たくて時間を取るので「イベコミュの天塵と【游魚】のセットは絶対に読んでほしいんだけど、もっと手っ取り早く4人の関係性を見たいなら……」と前置きしてから上記コミュを勧めます。

1話「RuRuLa♡latté」

さて、1話「RuRuLa♡latté」は欲しいものを躊躇なく全てカゴに放り込む雛菜から始まりました。小糸に買い過ぎじゃないかと指摘された雛菜は「みんな食べるでしょ~?」と返します。もうここから面白い。

実際のところ、雛菜の言う通り事務所でお菓子パーティーが始まって、雛菜が買ったものを皆で食べることになるんだろうと思います。ただ、皆で食べることは前提にあっても必ずしも目的ではなく、全て「雛菜が食べたいかどうか」だけを基準に商品を選んでいるであろうことがひしひしと伝わってくるところが雛菜ポイント高いです。やは~ポイント5。100ポイント貯まるとユアクマグッズと交換できるぞ!

数行の短い会話で雛菜の自分の欲求に素直である性格、可能なら欲求に関して妥協しない性格が分かりやすく提示されています。この分かりやすさは【LaLa! Bitter】をノクチル初心者に勧めやすいと思う大きな要因です。

さて。新作のお菓子と新作のラテ。雛菜にとって「新作」であるということはそれだけで買う大きい理由になるようです。新しいものはとりあえず試したい、今をときめく……って感じ。
一方の円香はというと、

新作を気にしつつも安易に飛びついたりはしません。ちゃんと吟味して選ぶ。麻雀やったら放銃率めっちゃ低くて配牌オリも覚えてそうな女No.1。

円香は「苦いやつだけど」と雛菜に教えてやることもできましたが※2、特に何も言わないことを選びました。「新作かどうかはどうでもいい」という言葉には新しいとかそういった価値じゃなくて、あくまで自分が美味しく感じられるかどうかが大事だ」ということが含意されているだろうことは読み手としては分かりますが、3人には伝わっていませんし、円香も特に伝わるとは思ってなさそう。

※2 円香が新作ラテのビターという表記に気付いていたかどうかは直接言及されてはいませんが、それなりに注視していたようですし、気付いていたと思います。新作だからとすぐに飛びつく雛菜と一度立ち止まって考える円香という構成的にも。

実際問題、小糸がビターだと指摘しても雛菜は「ラテ、いろんな味のがあるけどだいたいおいしいでしょ~?」と楽観的なままなので、円香が何を言っても変わらなかったのは間違いないですよね。円香もそれを分かってたんだろうなぁ、と。

これはそれなりにノクチルを読んできたから出てくる感想ですけど、小糸に「あっ、新作があるね!」みたいに話しかけられたら円香は「いいの? ビターって書いてるけど」くらいの忠告はしそうなんですよ(そもそも小糸は自分で考えて気付くだろうけど)。「雛菜だから」放置ってことなんだと思う、多分

そして、日常モードのちょけ円香成分をひとつまみ……で1話が終わり。
この成分が入ってるのもかなり嬉しいポイント。個人的に好きというのはもちろんのこと、これがあることでシャニソンから入ってきた人にもこのコミュを勧めやすくなるのが特に良い。

シャニソンでも円香がノクチルメンバーに対してくだけた態度を見せるシーンがないわけではないですが、シャニソンはまだコミュも少ないし、個人についての深掘りもそこまでしていない感じですから、円香のキツい成分と天塵アオハル成分しか見ていないシャニソンからの新規Pも多いと思うんですよね。そういう人にこそ円香のこういうところを刺していきたい。


と、ここでいったん雛菜と円香から離れて、1話における全員の行動を振り返ってみます。

おにぎりとサイダーという「まあ別にいいんだけど絶妙にミスマッチじゃね……?」感がある組み合わせをナチュラルに選ぶ(さらに、2話で思ってた以上におにぎりをたくさん買っていることまで明らかになる)透と、その透については特に何も言わない他3人。

しゃけ~! 

とりあえず欲しいものは全部買うという欲求に素直な心と、新しいものにノータイムで飛びつく好奇心(冒険心)を併せ持つ、楽天的で自分ファーストな雛菜。

行動を起こす前に一度立ち止まって考える慎重派で、無駄と分かっていることはあまりしないが無意味にちょっとふざけたり雑なことは言う円香。

買い物の内容については烏龍茶のみとThe・普通で特筆すべきことはないが、全体を見ると彼女が起点になって会話が進み、軌道修正されているという、ストッパー常識人な小糸。

いやほんと、よくもまあこの短い中に4人の関係性を分かりやすく綺麗に詰め込んだもんだ! と感動ですよ。

イラストとコミュ全体のテーマは多分……

サポートカードの中にも全体の空気感を大切に書かれているコミュや、特定個人の内面を深掘りに比重が置かれているコミュ(円香のサポートSSR【UNTITLED】【ハシルウマ】あたり)など、色々ありますが、

【LaLa! Bitter】はノクチルには珍しく「わかりやすさ」と「コミカルさ」に重きを置いているコミュという感じがしますね。

ノクチルのコミュには笑えるものもたくさんありますが、どことなくシュールな空気なものが多かったです。イラストも透明感がありました。
一方で【LaLa! Bitter】は、イラストの時点で「明るくて笑える話をしますよ~」と主張してきてます。私はイラストについて詳しいことは言えませんが、絵に精通してなくても分かるくらい塗りが放クラですよね。ビビット。ノクチルの新基軸が打ち出されたという感じすらします。

配布SRだからこそできた実験的な試みなんでしょうか? もしそうだとしたら大成功です。もっとこういうイラストとコミュください! 分かりやすいということは新規参入者にも非常に良いことだと思いますし、ホントに「もっとやれ!」という気持ちでいっぱいです。


2話「Bitter:Honey」

よく考えるとまだ1話の感想しか言ってないんですよね。ということで2話「Bitter:Honey」に話題を移そうと思います。

なんで人にあげようかなって思うくらいおにぎり買ってんだこの人。それにこれからお菓子パーティーが始まったら、おにぎりにはあまり手を付けなくなると思うんですよ。……どうすんだこの大量のおにぎり。

帰ったら夜ご飯なのは小糸だけで、透はレッスンか何かの予定後には買ってきたおにぎりを夕飯にするつもりだったのかもしれませんし、ホームユニットの会話で他人に食べ物をねだりまくっているので、思ってる以上に食うんだろうな、という想像もできます。
……いや、でもやっぱり他人にあげようかなって思うくらい大量におにぎり買うのは無計画すぎでは? 自分で食べきれる分くらいにしとけ?


――そのとき遊佐に電流走る――


もしかして円香が飲み物しか買わなかったのには、お菓子パーティーで雛菜が買ったものを食べられるからという理由以外に、透が余らせたものを自分が処理することになると予想していたからという理由もあるのでは……!?

これで円香も普通に「帰ったら夕飯あるから」だったらそれはそれで面白いけど。


雛菜にラテを渡すシーン

小糸はちゃんと自分で烏龍茶を取ってますね。偉すぎる。あと円香は雛菜に対して「自分で取れや……」って絶対思ってる。この表情があまりにも絶妙でたまらん。

そしてこの「自業自得」ですよ。
「考えなしに買ったのが悪い」「小糸に言われたことを雑に流したのが悪い」という文脈上普通に読み取れる意味に加えて、「だから言ったのに」という思いも1割くらいは含まれてるんじゃないかな、と想像してます。

円香は「新作かどうかはどうでもいい」としか言ってないけど、それが円香の中で「私も雛菜に考えるチャンスは与えたし、気付かずスルーしたのは雛菜」くらいの判定になってそう

そしてラスト、雛菜は……

……円香と小糸の助言で苦くて飲めないラテを改造。「新作」にして美味しく味わうのでした。マズかったら美味しくすればいいんですよ。簡単やね。

このように、最終的に雛菜が「しあわせ」に着地するこのオチがとても面白かったです。1話で描かれた円香と雛菜の違いがここで活きてくる、綺麗な回収を見せられて思わず拍手。

苦くてとても飲めないようなラテを買わなければ、甘くて美味しい雛菜特製ラテという「新作」は生まれ得なかったわけで、それは立ち止まって考え安牌を選ぶ傾向がある円香には開き得なかった新たな世界への扉でした。

失敗を避ける能力とリカバリー能力が高い円香(や小糸)と、新しいものに手を出し、失敗しても最終的に「しあわせ」に着地していれば大満足という雛菜(透はこっち側でしょう)。どちらも一長一短ではあると思うのですが、「前に進む」という能力は雛菜の方が高いのだと、そして、雑に扱い合う関係であっても、円香は雛菜に、雛菜は円香に良い影響を与えあえているのだと、些細な日常の出来事から示されるわけです。


綺麗~~~~~~~。


カードイラストから得られる情報以上の出来事は起きないのに、余すことなくノクチルを感じられる内容。
円香と雛菜を中心にしつつ、透と小糸の人物像もしっかり印象深く描き、最終的には雛菜の「しあわせ」と同時にノクチルの全体像に着地する構成……。


は~~~~~~~~。


1+1=2 みたいな美しさを感じる。

2+2=ノクチル
1+3=ノクチル
 4=ノクチル

気付いちまったな……「数の真理」。
私は今、ピュタゴラスにこの真理を伝えたい気持ちでいっぱいだよ。


Wikiより ピタゴラス像(ローマ・カピトリーノ美術館)





















ぱわぽ。

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