見出し画像

記事要約のすすめ➁

2年前、私は「記事要約のすすめ」というnoteの記事で、中日日中の翻訳能力を高める上での記事要約の重要性を説明しました。

この考えは今も変わっていません。その証拠に、今でも私はX(旧ツイッター)の自分のアカウントで、その時その時に華字メディアで報じられたニュースを日本語の短文で投稿することを続けています。

これは、今中国・台湾・香港・マカオで報道されているニュースを日本のみなさんに紹介したいという思いのほかに、自分自身の翻訳能力を高めたいという気持ちを持っているからです。

この中国語文を日本語で要約するというトレーニング、実は翻訳を目指している人以外に、中国語の中級上級学習者にも強くおすすめしたいと思っています。中国語の中級上級学習者ならば、「中国語文を、中国語の別の言葉で言い換えて要約する」というトレーニング方法の方がより効果的でしょうか。これはつまり、自身の中国語の作文能力を高めることを狙いとするものです。

現に中国語のテキストを見てみるとわかるのですが、レベルが高くなればなるほどこの類の問題を見ることができます。

◇◇

さらに言うとこの「要約」というトレーニング。自身の「国語力」の向上にも役立ちますが、この他に私は翻訳通訳を目指す人には、「言葉や文の言い換え力」の向上にも役立つと考えています。

「言い換え力」というのはすなわち、ある語句や文を別の類似語、類似文に置き換える能力です。これは翻訳するに当たってはとても重要な要素です。なぜか。

特に中日・日中翻訳においては「原文のままで訳出すると変になる語句(文)」に遭遇する場面は多々あります。いわゆる直訳文と言うものですね。直訳文はご存じのとおり、「質の低い翻訳文」に当たります。翻訳者としてはできるだけ避けたいですよね。

そのようなときにこのような「言い換え力」があれば、原文の原意を崩さずに質の高い翻訳文を置き換えて、作成することができます。翻訳だけでなく、通訳にもこのテクニックはとても大事。

◇◇

ただ、「このような要約トレーニングは苦手だよ」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合は、抄訳から始めてみてはいかがでしょうか。

抄訳については「記事の要約のすすめ」でも紹介しましたが、ニュース記事を1つ選んだうえで、その記事の中から「重要だと思う段落を選び、原文の原意に即してにそのまま翻訳する」と言うものです。「原文の原意を変えない」わけですから、要約とはちょっと違うのですが、要約トレーニングの前段階と考えてください。

抄訳で文章の掴み方をある程度理解できたあとは、段落ごとに区切り、一段落ごとに中国語なら日本語に、日本語なら中国語に文章を「要約」するトレーニングをします。

その後に記事1本を要約するトレーニングに移行するといった手順でしょうか。

このように机上で行う要約トレーニングのほかに、私みたいにXを利用して中国メディアや日本のメディアのある記事を、日本語または中国語の要約文にまとめ上げ、それを投稿するトレーニングも効果的だと私は考えています。

Xの自分のアカウントを利用して要約を投稿する場合、世界に自分の文章を開示するわけですから、それなりに責任が伴います。デマだと訴えられる可能性もあるわけですから、やはりなあなあでやるわけにはいきません。緊張感が伴うこともあり、より高いトレーニング効果を得ることができるでしょう。

◇◇

どうでしたでしょうか。私の提案を参考にして自分のレベル向上に役立ててみてはいかがでしょうか。


サポートしていただければ、よりやる気が出ます。よろしくお願いします。