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もう一度ポケットの中の思い出を。

 ついこの間、僕はニンテンドースイッチ(ライト)とポケットモンスターソードを買った。ユーチューブで広告を見かけ見かけた事がきっかけだった。、僕はすぐに弟に連絡をした。
 弟は今は関東に住み、一年以上会ってはいない。そんな弟に一緒にポケモンをやらないかと話した。


  そして僕はノスタルジーな気持ちを抱えてTSUTAYAに駆け込んだのだ。
 
 僕が最初にプレイしたポケモンは、2002年に発売されたサファイアという、ポケットモンスターシリーズの三作目だった。
 カセットは深い青色で、当時小学生の僕には他のゲームとは全く違う、宝物の様に大切にしていた思い出がある。
  

 主人公はホウエン地方という架空の町に引っ越してきた10歳弱の少年少女。
 ポケモンと呼ばれるモンスターを仲間に冒険を繰り広げ、時にはジムリーダーと呼ばれる強敵と戦い、時には悪の組織と対決する。彼らの腰には、ポケモンが入ったモンスターボールが揃っていた。


 僕は彼らと冒険を共にする様に、どこでもゲームボーイアドバンスを持って行った。公園でも外出先の車の中でも。
  学校に持ってきたときは、さすがに先生にバレて怒られてしまったが。(笑)。
 

 映画も毎回見に行ったし、ポケスペと呼ばれるゲーム版とはひと味違う漫画も新刊が出る度、500円を握りしめて書店に駆けていった。ポケモンが好きな友だちは、男の子女の子の隔たりも無くて、僕はリュックにゲームを入れ、自転車で友だちの家を目指した。
 僕はポケモンが大好きで、僕の日常はポケモンによって彩られていた。
 
 時は流れて2020年。
 僕は25歳になり、大人になっていた。
 ポケモンはまったくやらずとなっていて、ポケモンGOというスマホアプリが流行っていたけど、僕はなぜかやらなかった。
 そんな僕がニンテンドースイッチとポケットモンスターソードを買った時は、あのとき少年だった時と変わらない気持ちなのだろう。

 そう思える事がなんだか嬉しかった。思えば、大人になって、沢山の事を忘れてしまった気がする。

 子供の頃より、考えなきゃいけない事が圧倒的に多いせいだろうか。

 童心を忘れるという事は、とても寂しい事だと思う。だから、その度に時々思いだしていきたい。心はいつも少年に戻れる様にしておきたい。

 この記事を読んでくれている方々にもそんな気持ちを忘れないで欲しいと、僕は思う。

 家に帰った僕はあの頃と同じようにカセットを差し込み、スイッチの電源を付けた。
 ――瞬間、目の前に懐かしい光が差し込み。僕は笑って久しぶりと呟いたのだった。


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