しがらみから卒業した日
許せない人がいます。いえ、いました。私は今日、その憎しみから解放されたような気がします。
ある夢を見たのです。夢の中で私は、その人に啖呵を切りました。
その人は私にとっては、先生にあたる人でした。でも先生として失格だと言えるくらい、その人の態度はひどいものでした。依怙贔屓は当たり前、セクハラじみた発言も多々ありました。分からなくて聞いたことに対しても、返ってくるのはずれた回答ばかり。
私はその人に教わった3ヶ月間、本当に苦しかったです。その後もたびたび会う機会はあり、その度に地獄の3ヶ月を思い出すのです。トラウマといってもいいかもしれません。数年経った今でも、私はその人のことが大嫌いで、許せませんでした。
不思議な夢でした。入学式直後の教室のなか、なぜか私は新入生に混じって居心地わるく席についていました。そこに入ってきたのが、あの人。どうやらこのクラスの担任のようです。真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちでいる私たちに、自己紹介を促しました。何故か見知った顔がちらほら見えました。そして私の番。私はこの学校に来た目的を言い、そして何故か啖呵を切りました。
「先生は、もっと愛を持ってください。愛の範囲を広げてください」
「充分持ってるよ」
「足りません。これ以上、私みたいな生徒を増やさないで」
「みなさんも、頼れる先をいくつか持った方がいい。面倒を見てくれそうな先輩を探してみて」
何回かの押し問答のあと、最後は教室にいる面々に向けて、アドバイスのようなものを送りました。混じっていた見知った顔たちは、あとで、聞いていて気持ちよかった、すっきりした、ありがとう、と言ってくれました。クソみたいな同期は夢の中でもクソでしたが、それも今となってはどうでもいいです。
とにかく、私はその啖呵を切ったことで、心の中で燻っていたものを、すっきりさせることができたのです。そのある種の達成感と清涼感は、夢から覚めても続いていました。
私がその人と会うことは二度とないでしょう。その人は私のことなど心の隅にも留めていないでしょう。だから、私も忘れます。どうでもいい相手を、いつまでも心のスペースを取ってまで居座らせておく必要はないのですから。
なんで、あんな夢を見たのでしょう。
いつもと違うことといえば、クリスマスでワインを飲んだこと。それから、久しぶりにリングをつけて眠ったことくらいでしょうか。
酔いが見せた願望?ピンキーリングが見せてくれた夢?
あるいは、サンタさんからのクリスマスプレゼントだったのかもしれません。
ありがとう、サンタさん。最高のクリスマスでした。