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化学グランプリ(基礎化学)覚え書き

化学グランプリの過去問題集を解いています。(3回目の記事)

基礎化学3題を解いたので覚え書きです。
そもそも、『基礎化学』という分野は化学グランプリ特有の分類だと思います。「化学基礎」の内容をベースに化学の世界へ導いてくれる問題のようです。確かに実施が7月なので、高校1年生にも一定数受けてほしいと思うのであれば、このような工夫も必要ですね。

  • 1.アルコールの化学(2015年)

化学基礎をベースにと書いている次のページで、「ヒドロキシ基」が最初のリード文で未定義で登場するのが気になるが、n価のアルコールや第n級アルコールあたりは問題文中で定義されているので、細かい知識は不要だが、やっぱり全体的な有機化学の知識は必要な気はします。
題材としては、アルコールで一貫しており、構造と命名、沸点を変える要因、酸塩基反応(アルコキシドイオン)、脱水反応、熱化学、とバラエティに富んでおり、化学の世界を概観するには確かに良問であると思います。

  • 2.化学結合(2016年)

様々な化学結合からの結晶構造をややこってり。ルイス構造式と塩化アルミニウムの物性に寄り道して、最後に電気陰性度を基にそれぞれの結合を議論し、化学結合は共有結合性、イオン結合性、金属結合性の混ぜ合わせであるというオチ。
化学基礎を正統に深めた感じの問題で、化学基礎を習いたての知的レベルの高い高校生が解くとめちゃくちゃ面白いだろうなと思います。

  • 3.水道水の化学(2010年)

炭酸カルシウムの性質や次亜塩素酸ナトリウムの化学反応から始まるので、化学基礎のみの履修者には優しくない。エネルギーや水の物理的性質(表面張力)から水道の水がチョロチョロとなる理由の考察(完全に物理)、最後に逆浸透で海水の淡水化で終了。
1ページ目の知識問題以外は、物理的感覚をかなり問われる問題に見えます。まぁ、自然現象を数理的・定量的に考察すれば何でも物理っぽく見えるので、当たり前ではある気がしますが。

ここまで基礎化学3問を解きましたが、いまいち他の分野との区分けが掴みきれませんでした。理論に着目する物理化学(まだ解いてないけど)、物質に着目する無機化学・有機化学との違いはどこなんでしょうね?


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