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トライブ紹介 シニアトラベラー【2/2】

前回に引き続きシニアトラベラーついて 3. 多様な旅行スタイル、4.回顧型と未踏地制覇型についてご紹介します!

3.多様な旅行スタイル

スーパーリッチシニアトラベラーは一回の旅行が一人50万円以上。対象者はふたりとも女性で、一人は海外の僻地に行き、自分たち以外に人がいない場所の独り占め目感が贅沢と感じるそうで、必ずしも豪華客船旅行がリッチではないということが分かります。

もう一人は予定なしの海外旅行で、心の赴くままに行くことが贅沢と捉え、予定を詰め込まないことがリッチと考えている人です。

ご褒美型シニアトラベラーは積み立てをコツコツして旅行に行くタイプですが、世帯年収が低いワケではないのがポイントです。日々の頑張りのご褒美として年に一度国内旅行を楽しみたいという人です。日々の頑張ること自体が旅行の楽しさを高めるための事前準備になっているというわけです。

旅行サークル型シニアトラベラーは、旅行サークルに属して、青春18きっぷで月に3回行く旅行を10年続けているような人です。

探検型シニアトラベラーは、数100キロのツーリングで四国一周をしたり、僻地に行くという冒険をしたいタイプと、大学教授で、趣味と実益を兼ねて文化人類学のフィールドワークを行ったりするような人です。

彼らを調査して分かったことは、基本的にシニアの旅行は「また行きたい」という回顧型か、「いつか行きたい」という未踏地制覇型に概ね分かれるということです。

4. 回顧型と未踏地制覇型

調査の中で理想の旅行中の1日を聞いたところ「思い出の地に再び訪れるのがたまらない」という話が多く出てきました。

若い頃に家族で訪れた場所に、子どもが成長して巣立ったあと夫婦ふたりでまた訪れると、思い出も含めて噛みしめることができる、シニアならではの旅行の楽しみ方といえるでしょう。

さらに注目すべきは「ここに行ったよね」と家で会話するのではなく、現地に行ったからこそ思い出せる感覚があるということ。彼らにとって、思い出は現地にも保存されていて、現地に行くことで思い出が引き出せるというのはかなり重要なインサイトです。

旅行会社の人は、シニアの方がいつ、どこに、誰と行ったかまでは分からないので、今はまだこういった行動を促すサービスは存在しませんが、これからの旅行体験は、同じ目的地でも過去との関係で思い出を引き出しやすくさせることで楽しみ度合いも全然変わってくるはずです。

とくにトラベル系の新規事業やアプリ、サービスなど開発する場合、過去の旅行を巡り返すような体験、「保存された思い出をうまく引き出せる経験」をデザインすることが重要です。

また、まだ行ったことがない場所に行きたいという欲求も実はとても強く、何故ならシニアは「自分に残された時間」を意識しているからで、これは若者との決定的な違いです。

どこでもいいから知らない場所に行きたいわけではなく、残された時間の中で、行ったことがある場所にも行きたいし、行ったことのない場所にも行きたいわけで、若い時はハワイばかり行っていた人も、未踏型になることもあります。

そういう気持ちをそっと後押しするような旅行の売り方として、「今までこういう場所に行っていたなら、まだ行ったことがない場所ではここがオススメ」というような提案の仕方が考えられます。要するに「未踏の中で制覇すべき領域を真剣に吟味する体験」のデザインが重要です。

また、機会領域もご紹介すると、残された時間は有限であり、そのうちケガや病気をするなどで体が衰えて、旅行に気軽に行くことができないときがやってきます。肉体が弱体化する一方で「行きたい」「もっと行っておけばよかった」という意識は強くなるものです。

現在の旅行は元気な人を中心に設計されているため、ケガをしてしまった人や、体が弱い人向けの旅行というのはあまり存在しません。これはアクティブシニアという言葉の弊害でもあり、実際は心はアクティブでも体がついていかないという人も多くいるため、今後は「体に不安を抱えている方のための旅行体験」のデザインが求められているといえるでしょう。未踏地制覇の欲求というのは増大していくので、少し体が弱くなってしまった人向けに、たとえば医療処置のできる添乗員がつくといった体験を提案してみることをオススメします。

今回はシニアトラベラーについてご紹介しました!
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