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READING PHOTO ー生徒のfluencyとcritical thinking skillsを高める活動 ①

 オンライン上では、いろいろな分野の最新の話題についての写真を見ることができます。それらを使い、社会や世界について多面的に考えたり、話し合ったりすることで、「より流暢に英語を話す力」と「感情や主観に流されず、客観的に考える態度」を生徒の中に育てていくための活動を紹介します。

<この活動のポイント>

 写真を生徒に見せ、”What do you see in this photo?” や “What are those people doing? Please explain.”のように質問するだけでもSpeaking活動になります。しかし、そのような質問だけでは、たいていの生徒は表面的な情報について話すだけになってしまいます。そこに写っているものの意味を考え、それを英語で説明するということができるように、3つのステップを使って「写真を読む」というのが、Reading Photo-Structured Style (Castellano, 2020)です。

Reading Photo-Structured Style

Step 1: One sentence summary 
 まず、何の写真かを一文で説明します。一文にまとめることで、概要を掴み、それを相手に説明する力をつけます。

Step 2: Talking about details, giving directions
 次に細部に目を向け、どこにどのようなものが写っているかを説明します。生徒には、下の図のように、位置を伝えるための表現を示してあげるとよいでしょう。
 生徒は、写真のどの部分のことを話しているのかを明確にしながら、何が写っているかを説明しなければいけません。" In the bottom half of the photo, there are lots of tables and chairs.”のようにです。この活動では、細かく描写する力をつけます。

図1

Step 3: Analysis
  先の2つのステップは、見えたものについて話す活動でした。最後のステップでは、見た情報を分析し、その背後に隠れているストーリや、その写真から受けた印象について語ります。ここで重要なのは、自分の考えや感情を、漠然と話すのではなく、なぜそのように考えたり、感じたりしたのか、必ず根拠を示しながら説明するということです。例えば、”I think this is a photo of a library because there are lots of bookshelves and many study tables.” のようにです。
   理由づけ(reasoning)をすることによって、客観的に考える力や、異なる事象の間にあるつながりを推論する力を鍛えます。また、「実際に写真に写っていること」と「それを見て自分が考えたり感じたりしたこと」を区別して考えられるようになることも期待できます。この力は、画像や映像に囲まれて生きている現代の生徒には、ぜひ身につけて欲しいスキルです。

 以上の3ステップを経て、生徒は、1枚の写真を見て、それについてまとまった内容を、英語で論理的に話す練習ができます。

 この活動は、単独のスピーキング活動として行なってもよいですし、READING PHOTO—写真を使ったSpeaking活動で生徒のfluencyとcritical thinking skillsを高める② で紹介しているように、より大きなタスクの中に、1つの活動として組み込むこともできます。

<写真を探すのにオススメのサイト>

https://www.voanews.com/day-photos

http://www.apimages.com/Home

https://www.nationalgeographic.com/photography/

https://kids.nationalgeographic.com/

https://www.timeforkids.com/

https://www.bbc.com/news/in_pictures

https://www.reuters.com/news/pictures

https://www.nytimes.com/section/lens

Smithsonian Libraries Image Gallerylibrary.si.edu

Castellano, J. (2020) Using Visuals for Fluency Building Tasks Week1 lecture [video]




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