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言葉の行方

内側に滞留していた言葉が声になろうとする時、躊躇い、考えてしまう。たったひと言が相手との距離や関係性を露呈することにも、関係を裂くことにもなり得るから。しゃぼん玉のように空間を漂い、すぐに消えてしまうかと思えば、時に相手の心に沁み入る、声。

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ふと浮かぶ、自分だけが知る思いと言葉、どこにも届けられないまま、誰にも見られないように川に投げる。一瞬だけ跳ねる水のしぶきが やけにスローに見えて。流されやがて見えなくなっていくのを、ひとりきりで見届ける。



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