日記0401(2)『これからは馬より車の時代』

車の免許を取ることは一生ないと思っていた。
小学校時代に事故に遭ってからというもの、自動車というものが生理的に苦手で、乗るのも怖い、見るのも怖い、運転するなんてもっての外。
自分はなるべく自動車には関わらず生きていこうと心に決めていた。

だが皮肉なことに、馬やランドマーク間の転送移動が主流となった今になってようやく、重い腰を上げて車の免許を取ることにした。

地元がダンジョン化してとにかく困るのは、モンスターの出現やボス部屋の騒音がどうとかよりも、移動が不便なことに尽きる。
地元は駅‐駅ビル‐周辺商業施設が連なってダンジョン化した典型的な拠点型で、その構造によって街がバッサリ二等分された。
もちろん室内扱いなので馬の通り抜けもできない。

じゃあ街道を使えばいいじゃないかとも都会の人には言われるが、大通りの両脇には弓兵が大量にいて、病的なまでに偏差射撃を撃ち込んでくる。
かといって、マップからの転送移動で行き来するのも日常的にはちょっと具合が悪かったりする。

となると、結局屋根がある強力な車が欲しくなってしまう。
ゾンビもので装甲車が頼もしく思えてくるのと同じ理屈だ。

まあ、ランドマーク移動ができるようになった今は自動車産業も下火で、免許を取るのもそこまでコストにはならないらしい。
結局世の中に強いられて取るんだよなぁとは思いつつも、そのこだわりのせいでロストしても仕方ないと腹を括る。


というわけで、来月の頭から半月ぐらい低浮上になるのはそういう事情と思ってもらいたい。

……それにしても、オープンワールド至上主義は時代の流れからして仕方ないにしても、もうちょっとだけ棲む人間のことを考えてデザインして欲しかったなぁ~とか、最後に恨み言を言ってみたりする。

(終)

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