日本の街道大改造?日光街道3街道見当たらず

日光街道歩き旅③ 

 

 ガイドブックを見ながら街道を歩いていると、街道が大改造されている時がある。

 石仏石塔群どこだ?常夜燈どこやーっ?道祖伸もしかして無い?

 もちろん、九割九分私の地図の読み違いに間違いないのではあるが、本当に大改造されていると思われる場所が、しばしば現れる。(ような気がするだけで、現れていない可能性もあることは、ご理解願いたい)

 それは、日光街道栗原宿で起きた。

 あきらかに大規模工事をしている場所で、何やら工事視察団のような団体あり。作業服を着た案内人と背広サラリーマンの集団が何か話しながら工事現場を確認している。

 その横を、怪しくうろつく私。だって、街道が無い。

ガイドブックの「土手下の歩道を進んで利根川橋を渡れ」との指示に従い行くと、とっても綺麗な土手下の車道あり。そして利根川橋に上がれない。

あの視察団。必ずやこの利根川に上がれない秘密を知っているに違いない。

“困ったわー、ここどこなのかしら?あら?こっち?違うわー。ウロウロー、キョロキョロー”と思い切りPR。さあ、困っている旅人の私に気づいて!そしてアドバイスを!

よっしゃ、来たあ!(釣り師の餌に近づいてくる魚を慎重におびき寄せる要領だ!)

“困ったわー。私どうしたらいいのかしらぁ~?”と演技を続ける。

「どうされました?道にお困りですか?」と、国土交通省の作業服を着た視察団案内人が、道路を渡って私の方へ来た来た来たー!

「日光街道を歩いているんですが、道がわからなくてえ」(ニッコリ!マスクしてるけど、おばさんだけど、親切な魚よ頼む!)

「あー、ここ凄く変わってるんですよ。利根川土手は大改造中なんで。ん?利根川橋南詰?あー、変わっっちゃってます。こっちを、こう行ってこう行きます。けど、利根川橋結構距離ありますよ。大丈夫ですか?」

そう言って師団長は、私の装いをじっと見て、「その恰好、歩いてますね?」と。

ばれた、やばい、ばれたわ!(何がばれたんだか、わかんないけど!)

「……日光街道30キロほど歩いてきたんで大丈夫です…。」

「そうですかー。お気をつけてー!」

優しい。師団長、優しい!ありがとう!

そして、YouTubeに動画をアップし始めた私は、GoProに話しかけながら、「親切な国土交通省の方に、変わってしまった利根川橋への道を教えていただきましたー!良かったー!」と呟いていると、真後ろにピタリと視察団が!

うひゃあ、超恥ずかしい!

いや、恥ずかしがっている場合ではない。よくわからんが、今こそ街道ウォーカー魂を見せてやる。

「うわー、利根川気持ちイー!最高―!おーぶれーねり、あなーたの、おうちわどこー?わたーしのおうっちは、すいっすらんどよー、きれーいな、こすーいの、ほとーりなのよー、やーっほーっ、ほーとららら、やっほ、ほーとららら、やほほーとららーららー、やほほ!」歌え、歌うんだ、ある子!

オーブレーネリー。視察団長が知っていて、「ああ、素晴らしい街道ウォーカーに出会えた!今日は良い日だった。明日も頑張ろう」

きっとそう思って頂けたに違いない、と信じる事にした。

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