見出し画像

タロットの歴史 パート1

Tarot Made Easy! タロットは歴史から知る


こんにちは。Your Tarot Advisor, Ms. Chloeです。
プロのタロットリーダーで、オカルトタロットの研究家です。
よろしくお願いいたします。

前回、ウォームアップとして、「タロットの目的とは?」という記事を書いていますので、そちらもご覧くださいね。

タロットは危険なのか!?
ということについても言及していますので、「気づき」のきっかけとして、こちらの記事もお読みいただけると嬉しいです。オカルトに盲信することへの警告です。これについては今後の記事の中で触れていこうと思います。

タロットを使っている方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、タロットを何と認識して使っているのでしょうか。「ライダー版タロット」を『元祖』だと思いながら何の疑いも検証もなく使っていらっしゃる方が大半だと感じています。それはそれでもちろん、個人の自由です。しかし、ライダー版タロットは、エソテリシズム(秘伝の奥義)が確立された20世紀に生まれたもので、タロットそのものは、エソテリシズムという観念から生まれたものではなく、それは後付けとされています。つまり、もともと占い目的で生まれたものではないということです。(注:「タロットの目的とは?」という記事でそこに触れています。)

タロットに盲信しないためにも背景を知ることは大事です。

その思いで、歴史について書いていこうと思います。数回に分けるつもりです。なるべくわかりやすくしていきますので興味のある方はお付き合いいただけると幸いです。

最古のタロットはイタリア発?


最古のタロットは、1377年ごろにまで遡ります。
文献には、この14世紀の終わり頃に出てきた【新しいゲーム】として言及されています。それが、Trionfi (or "triumphs") cards(勝利) とよばれるものです。60枚からなるカードセットです(枚数に関しては諸説有り)。このカードはタロットとしては認識されておらず、ゲームとして使われていました。

次々と打ち負かしていくゲーム=タロット?


Trionfi 【勝利】
という名前は、イタリアの詩人 Francesco Petrarca (ペトラルカ)の抒情詩、『I Trionfi』から取られたものです。1352年ごろから書かれ始めた詩のようです。この詩の内容ですが、ペトラルカは、ラウラという魅力的な女性に出逢います。最初の【勝利】、この魅力的な女性ラウラの美しい姿に出会うことを意味します。そこで、カードにはキューピッドが愛の象徴(Love)として、神と人間に【勝利】するのです。愛は盲目とはこのことでしょうか。最初の対戦はとてもやさしいバトルです。

しかし、ラウラはペトラルカの愛を受け入れませんでした。ラウラには旦那さんがいたのです。ラウラは貞操を守りました。ということで、二番目の対戦です。純潔さ(Chastity)が愛(Love)に勝ちます。LOVEが負けました・・・。

三番目の対戦は、なんと現代タロットでもみんなに嫌われる悪役、Death(死神)の登場です。死(Death)が純潔(Chastity)に勝ちました。ラウラが死んでしまったのです。ラウラは、当時大流行していた黒い死(Black Death)とも呼ばれていたペストにかかってしまい、亡くなります。死神の勝利です。

四番目の対戦では、Fame(名声)がDeath(死)に勝ちます。これはどういうことかというと、彼女の死後も忘れ去られることはなかった・・・ペトラルカの心からラウラが消えることはありませんでした。

五番目の対戦では、Time(時間)がFame(名声)に勝ち、六番目の大戦においては、Eternity(永遠)が Time(時間)に勝つのです。最終的に、ペトラルカはラウラとまた巡り合い、永遠に終わることのない時間の中で一緒になるのです。

と、かいつまんでお話ししましたが、このような抒情詩の内容になります。これがタロットゲームにつながりました。つまり、現代版タロットの中の、トランプカード(大アルカナカード)で、お馴染みの、Lovers,Death, Chariot, Hermit, Worldの原型がこの抒情詩の中で登場しているのです。

しかしながら、14世紀のイタリアの文豪たち、ペトラルカもダンテもボッカチオもタロットについては全く触れていません。あくまでも寓話として、遊びとしてのカードであり、「おまじない的な要素があるのでは?」と関連づけたがる人もいるのですが、文献の中での言及はありません。

北イタリアで生まれたタロット


『タロット』という形が現れたのは、15世紀初頭の北イタリアでした。それ以前に、いわゆるplaying cards(ポーカーで使われるゲームカードです。日本ではこれがトランプカードと呼ばれています)が14世紀ごろに使われ始めていて、そこに、トランプカード(大アルカナカード)を加えたものが使われ始めました。playing cardsの拡張版として、タロットが使用され始めました。

やはり、この当時は主にゲームカードとして使用されていたようです。もちろん、ジプシーたちが占い目的で使っていたということはあるのですが、この頃の人たちに「タロット」は何?と、聞けばゲームカードでしょ、と返ってくるほど、ゲームとして浸透していたということです。

それでは、次回は、実際にどのようなデッキが使われていたのかについてお話ししたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?