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「価値観と運」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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高校野球で活躍された花巻東高校の佐々木麟太郎さんが、アメリカのスタンフォード大学に進学されるというニュースを目にしました。

高校野球で全国的に活躍をされ、日本のプロ野球からドラフトされるほどの選手として、日本のプロ野球や大学野球、社会人野球ではなく、アメリカの大学に進学されるのはほぼ前例のない進路だと聞いています。

また、自らスタンフォード大学を志願し、厳しい選抜試験を突破して何とか入学することができた、というわけではなく、アメリカの大学への進学を表明し、いくつかの大学からオファーを受け、特に佐々木さんの人間性を高く評価していたスタンフォード大学を自ら選択した、との報道もありました。

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佐々木さんが高校卒業後の進路を考えたとき、目の前にはいわゆる「約束された将来」につながる進路があり、周囲からもその進路に進むアドバイスがあったかと思いますが、安易に流されることなく、ご自身にとって大切なことは何なのか、どんな人生を過ごしたいのか、長い時間考えてこられたのではないか、とあくまで私自身で勝手に想像しています。

人生の過ごし方として、それまで培ってきたものを活かして、前例があり、ある程度安心できる環境に身を置き、実力を伸ばしながらしっかり評価されていく人生があるかと思いますし、もしかしたらそれが正解なのかもしれません。

一方で、日頃から自分との対話を続け、自分がどんな人間で、どんな価値観を持つ人間なのかを考え続けてきたことで、進路を考えたときにやってみたいと感じ、自分に合うであろう進路が、例え難しくて大変なものであってもそれを選択する人生もあるかと思います。

大切なのは、それぞれの人生をお互い心から尊重し、認め合うこと。今回の進路の判断は、もしかしたら進路を考えるタイミングよりもずっと前に、日頃の積み重ねの中ですでに決まっていたのかもしれないなと、これまた私自身で勝手に想像しています。

もうひとつ、別の視点で考えてみると、「アスリートとしてひたすらその競技にだけ集中するべき」「勉強の経験や社会人としての経験はいらない、アスリートとしての実力があればOK」というこれまでの価値観だけでは通用しなくなっている世の中の流れ、「時流」のようなものにちょうどタイミングが合ったこともあるかと思います。この点も非常に重要だと私は考えていて、これまでの、そして現在のアメリカの大リーグでの日本人選手の活躍も含め、「運」とも言えるこうした要素も味方になっているのではないかと感じています。

勉強との両立を含め道なき道を進むパイオニアとしての大変さ、言葉の違いや自己表現の必要性など海外ならではのご苦労もあるかと思いますが、これまで多くの競技で同様のチャレンジをされてこられた多くのアスリートの方々からバトンを受け取った佐々木さんを、これからもささやかに注目していきたいと思います。

second place 佐藤

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