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「引き際」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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ふたりのアスリートのニュースを見て考えたことについての話です。

1人目は、サッカー選手の三浦知良さんです。56歳になられてもなお、現役のアスリートとして活動されている三浦さんのことは、サッカーに馴染みがない方でもご存知の方が多いのではないかと思います。

それだけではなく、今年はポルトガルのリーグでプレーすることに挑戦されているニュースを目にしました。スポーツで海外挑戦をするパイオニアのひとりとして、10代から様々な国でプレーをされてきた中で、スポーツを通じてやりたいことをとことんやり続けること、自分の人生を精一杯楽しむこと、そんな三浦さんの価値観のようなものをメディアを通して感じています。

2人目は、ボクシング選手の入江聖奈さんです。東京オリンピックで金メダルを獲得され、多くのメディアに取り上げられながらも、「金メダリストとしてチヤホヤされるのは今のうちだけ」、「金メダルがなくても、一人の人間として『入江さんはいい人だね』と言われるようになりたいな」などの発言からもわかるように、ひたすらに腰が低い姿が印象的です。

そんな入江さんは、大学卒業と同時に現役を引退され、大好きなカエルの研究の道を目指しているそうです。「(研究の)世界では実績が全く、何もない人間なので。より『金メダリスト』というのが、あっち(遠く)に行くと思う。そういう環境でまた頑張っていく方が大事だと思ってます」

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アスリートの引退のニュースや、ベテラン選手の現役続行のニュースに触れるたびに、引き際にこそ、その人の価値観や人生観が浮かび上がるな、と日々勉強をさせてもらっています。アスリートひとりひとりに決断に至るまでのプロセスがあるわけですが、本当の理由や思いの大きさというものは、実際にはなかなか口に出せるものではないだろうと想像していて、話し方や表情を見ながら、その決断を尊重する気持ちでいつもニュースを見ています。

特に、多くの選択肢の中から、その決断をされた様子を感じ取ることができたときは、本当に勉強をさせていただいています。同じ現役続行の決断をされるときでも、現役続行をするしかないというプロセスと、数ある選択肢の中から眠れないほど悩んで選ぶプロセスでは、大きな違いがあるように思います。

これはアスリートとしての積み重ねを疎かにしてよいという話ではなく、視野を広げる、多くの違う考え方に触れる、自分を知る、日頃からとにかく物事をよく考える、という心の在り方の話であり、きっと自分の中での切り替えができて、相乗効果を起こせることなのだと思います。

競技への没頭と、心の広がり。このとき最も求められるのは、やはり人としてのバランス感覚なのかもしれませんね。

second place 佐藤

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