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「量と質」の話

second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。

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大学卒業後、アメリカに滞在していた頃の話です。

サポートいただいた多くの方々のおかげで、当時アメリカのプロリーグでとても活躍している選手や、ドラフトされてこれから期待されてプロ選手としてやっていく選手、いわゆる一流と呼ばれていた選手たちと一緒にトレーニングをする機会に恵まれました。

私がそれまでの経験を踏まえて持っていた印象としては、結果を出している選手は、あまり練習をやらないのではないか、とは言うものの持って生まれた才能のようなものがものすごいことで、結果を出すことができているのではないか、というものでした。

しかしながら…とても良い意味で彼らに裏切られることになりました。

あくまで当時の話、さらに言うと私が一緒にトレーニングをさせてもらった選手たちの話として書かせていただきますが、オフシーズンの練習ということで、どちらかというと個人のスキルを高めることが大きな目的でした。

みんなで集まって一緒に取り組むトレーニングの時間があったわけですが、スキルも経験もない私にはかなりの強度のものだったと記憶しています。ときには笑顔を見せながら涼しい顔でこなしている実績ある選手たちを見ながら、「やっぱりすごいな…追いつくことなんてできるのかな」と不安な気持ちにさせられたことを覚えています。

全体のトレーニングが終わり、ぐったりしていた私の目の前で、休憩していた選手たちが立ち上がり、何が始まるのかと思ったら、それぞれ個人トレーニングを開始したのです。強度の高いシュート練習や、重りが入ったグローブを付けたドリブル練習だけでなく、ウエイトトレーニングやひたすらダッシュを繰り返すような、とても彼らが取り組みそうもない?と想像していたメニューにとても集中力を持って取り組んでいました。

時期的なものもあるかもしれませんが、とても長い時間をかけて、莫大なエネルギーを注ぎ込んでいる彼らの姿を目の当たりにして、「圧倒的な練習量」という土台があって初めて、生まれ持った才能を活かすことができているのだと痛感したことを記憶しています。

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とにかく効率的に、習得までの最短距離で、自分が納得してから、というような「質の追求」について議論されることが増えてきている昨今ですが、「量」と「質」、どちらか一方だけの追求ではなかなか物事はうまく進んでいかないのかもしれません。

ともすると非効率とさえ言われてしまうような「量の追求」により、意識してできていたことが無意識にできるようになること、さらにいうとできるようになったことに無意識である状態までたどり着くことで、正しい取り組みや効率などの「質の追求」が活かされる気がしています。結局は「量と質のバランス」ということになるのかもしれませんね。

second place 佐藤

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